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法務難易度: 難

中小企業M&A実務能力・倫理検定試験 予想問題|法務 第38問

問題

譲り受け候補U社は、譲り渡し側V社と基本合意を締結した後、「必ず買い取る」と繰り返し伝え、V社に他の候補先との交渉を打ち切らせたうえ、U社の要望に沿った設備の改修までV社に行わせた。ところがU社は、最終契約の調印直前に合理的な理由なく交渉を打ち切った。基本合意書には、譲渡価額等の定めに法的拘束力がない旨が記載されている。民法上の扱いとして、最も適切なものはどれか。

選択肢

  1. 1契約が成立していなくても、契約準備段階における信義則上の注意義務に違反したとして、U社が損害賠償責任を負う場合がある
  2. 2最終契約が成立していない以上、U社がV社に対して損害賠償責任を負うことはない
  3. 3V社は、U社に対して最終契約の締結を裁判で強制し、株式の譲渡代金の支払を求めることができる
  4. 4基本合意書を締結した以上、U社は、最終契約が成立していれば得られたはずの譲渡代金相当額の全額を必ず賠償しなければならない

正解

1. 契約が成立していなくても、契約準備段階における信義則上の注意義務に違反したとして、U社が損害賠償責任を負う場合がある

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解説

契約は申込みと承諾の合致によって成立し、交渉の段階では契約を締結するかどうかは原則として自由である。もっとも判例(最高裁判所昭和59年9月18日判決)は、契約の準備段階における信義則上の注意義務違反を理由とする損害賠償責任を認めており、相手方に契約が成立するとの信頼を与え、それに基づく出費や他の機会の放棄をさせながら、合理的な理由なく交渉を一方的に打ち切った場合には、責任を負うことがありうる(民法第1条第2項の信義則)。この場合の賠償は、一般に契約の成立を信じたことによる損害(信頼利益)が中心であり、最終契約が成立していれば得られた利益(履行利益)の賠償が当然に認められるわけではない。基本合意書から最終契約の締結義務が生じない以上、締結の強制も認められない。

一問一答

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