問題
衆議院の解散に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
選択肢
- 1衆議院議員総選挙は、衆議院議員の任期が満了した場合と衆議院が解散された場合に行われるが、実際の運用では、任期満了による総選挙が過半数を占め、解散による総選挙は例外となっている。
- 2内閣による衆議院の解散は、高度の政治性を有する国家行為であるから、解散が憲法の明文規定に反して行われるなど、一見極めて明白に違憲無効と認められる場合を除き、司法審査は及ばないとするのが判例である。
- 3最高裁判所が衆議院議員選挙における投票価値の不均衡について憲法違反の状態にあると判断した場合にも、内閣の解散権は制約されないとするのが政府見解であるが、実際には、不均衡を是正しないまま衆議院が解散された例はない。
- 4衆議院が内閣不信任案を可決し、または信任案を否決したとき、内閣は衆議院を解散できるが、この場合には、内閣によりすでに解散が決定されているので、天皇は、内閣の助言と承認を経ず、国事行為として衆議院議員選挙の公示を行うことができると解される。
- 5天皇の国事行為は本来、厳密に形式的儀礼的性格のものにすぎない、と考えるならば、国事行為としての衆議院の解散の宣言について内閣が助言と承認の権能を有しているからといって、内閣が憲法上当然に解散権を有していると決めつけることはできない、という結論が導かれる。
正解
5. 天皇の国事行為は本来、厳密に形式的儀礼的性格のものにすぎない、と考えるならば、国事行為としての衆議院の解散の宣言について内閣が助言と承認の権能を有しているからといって、内閣が憲法上当然に解散権を有していると決めつけることはできない、という結論が導かれる。
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解説
正解は5。天皇の国事行為が形式的・儀礼的性格にすぎないと考えるなら、内閣が解散の宣言につき助言と承認の権能を持つことから直ちに内閣が実質的解散決定権(解散権)を有するとは導けない、という論理が成り立つ。よって5は妥当。2は誤りで、苫米地事件(最大判昭和35年6月8日)は衆議院解散を統治行為とし、明白に違憲無効の場合を除くという限定を付さずに司法審査が及ばないとした。1は実際には解散による総選挙の方が多く事実誤認。4は天皇の国事行為には必ず内閣の助言と承認が必要(憲法7条)で誤り。(出典: 令和2年度 行政書士試験 問題6)
一問一答
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