問題
次の文章の要旨として、最も適切なものはどれか。 行政手続法の制定は、行政運営の公正確保と透明性の向上を図る上で画期的な意義を有する。従来、行政庁の処分は行政庁の裁量に委ねられる部分が大きく、その手続も必ずしも統一されていなかった。行政手続法は、処分、行政指導及び届出に関する共通の手続ルールを定めることで、行政の恣意的運用を防止し、国民の権利利益の保護を図ることとしたのである。ただし、行政手続法はあくまで手続面のルールを定めたものであり、処分の実体的な内容の適正さまで直接保障するものではない点には留意が必要である。
選択肢
- 1行政手続法により行政庁の裁量は完全に排除された。
- 2行政手続法は処分の内容の適正さを直接保障する法律である。
- 3行政手続法は行政運営の手続面のルールを統一し公正確保を図ったが、実体面の保障は別問題である。
- 4行政手続法の制定前は国民の権利利益は一切保護されていなかった。
- 5行政手続法は行政指導を禁止する法律である。
正解
3. 行政手続法は行政運営の手続面のルールを統一し公正確保を図ったが、実体面の保障は別問題である。
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解説
本文は、①行政手続法の制定は行政運営の公正確保と透明性向上の点で画期的意義を有する、②同法は処分・行政指導・届出に関する共通の手続ルールを定めて恣意的運用を防止し国民の権利利益の保護を図った、③ただし手続面のルールにとどまり、処分の実体的な内容の適正さまで直接保障するものではない、という構成である。意義と限界の双方を押さえた肢3がこの要旨に合致する。肢1は「裁量は完全に排除された」とするが、本文は裁量の統制を述べるにとどまり、完全排除には言及していない。肢2は「内容の適正さを直接保障する」とする点で本文の③と正反対である。肢4は「一切保護されていなかった」とするが、本文は手続が統一されていなかったと述べるのみで、保護の全否定はしていない。肢5は「行政指導を禁止」とするが、本文は行政指導に共通ルールを定めたと述べるにすぎない。「完全に」「一切」などの過度の断定を含む肢を排除するのが要旨把握の定石である。なお行政手続法1条の目的規定(公正の確保と透明性の向上)は法令科目でも頻出である。
一問一答
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