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刑法難易度: 2021年度

司法書士 過去問刑法 第75問

問題

盗品等に関する罪に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。 ア Aは,B所有の腕時計を窃取したが,その後,犯行の発覚を恐れ,当該腕時計を自宅で保管していた。この場合において,Aには,窃盗罪に加えて盗品等保管罪が成立する。 イ Aは,Bから,BがCから窃取した壺を被害者であるCに買い取らせることを持ちかけられ,当該壺が盗品であることを知りながら,これに応じ,Cと交渉の上,Cに当該壺を買い取らせた。この場合において,Aには,盗品等有償処分あっせん罪が成立する。 ウ Aは,Bが窃取した宝石であることを知りながら,Bからこれを譲り受け,Cは,当該宝石がBが窃取した盗品であることを知りながら,Aから頼まれて,これを自動車で運搬した。この場合において,AとCとの間に婚姻関係があり,BとCとの間には刑法第 257 条第 1 項所定の関係がないときは,Cには,盗品等運搬罪が成立するが,その刑が免除される。 エ 公務員であるAは,その職務に関し,Bが窃取した自動車であることを知りながら,Bからこれを賄賂として無償で収受した。この場合において,Aには,収賄罪と盗品等無償譲受け罪が成立し,両罪は観念的競合の関係に立つ。 オ Aは,Bから頼まれて盗品とは知らずに自動車を保管することとし,保管を始めて数か月間が経過した時点で,当該自動車はBが窃取した盗品であると知るに至ったが,Bによる窃盗の犯行の発覚を防ごうと考え,その後もBのためにその保管を継続した。この場合において,Aには,盗品等保管罪は成立しない。(参考)刑法第 256 条 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は, 3 年以下の懲役に処する。2 前項に規定する物を運搬し,保管し,若しくは有償で譲り受け,又はその有償の処分のあっせんをした者は,10 年以下の懲役及び 50 万円以下の罰金に処する。第 257 条 配偶者との間又は直系血族,同居の親族若しくはこれらの者の配偶者との間で前条の罪を犯した者は,その刑を免除する。2 (略)

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4イエ
  5. 5エオ

正解

4. イエ

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解説

正解は「イエ」(正しいものの組合せ)。 ア=誤り。盗品等に関する罪は、本犯者以外の者が本犯者による違法な状態の維持・存続に関与することを処罰するものである。本犯者である窃盗犯人自身が盗品を保管する行為は、窃盗罪の評価に含まれる不可罰的事後行為であり、別に盗品等保管罪は成立しない。根拠:刑法256条2項、235条 イ=正しい。盗品等の有償の処分のあっせんをする行為は、被害者による正常な回復を困難にし、窃盗等の犯罪を助長するものであるから、あっせんの相手方が被害者であっても盗品等有償処分あっせん罪が成立する(最決平成14年7月1日)。根拠:刑法256条2項 ウ=誤り。盗品等に関する罪の親族等の間の犯罪に関する特例(刑法257条1項)が適用されるためには、本犯者と盗品等に関する罪の犯人との間に同項所定の親族関係があることを要する(最決昭和38年11月8日)。運搬者Cと本犯者Bとの間に所定の関係がない以上、Cの刑は免除されない。根拠:刑法257条1項 エ=正しい。公務員がその職務に関し盗品であることを知りながら賄賂として無償で収受した場合には、収賄罪と盗品等無償譲受け罪が成立し、一個の収受行為による以上、両罪は観念的競合の関係に立つ。根拠:刑法197条1項、256条1項、54条1項前段 オ=誤り。盗品であることを知らずに保管を開始した場合であっても、その後に盗品であることを知りながらなお本犯者のために保管を継続したときは、その時点から盗品等保管罪が成立する(最決昭和50年6月12日)。違法な状態の維持に加担することになるからである。根拠:刑法256条2項 以上より、正しいのはイとエであり、正解は「イエ」となる。(出典: 令和3年度 司法書士試験 午前の部 第26問)

一問一答

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