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刑法難易度: 2025年度

司法書士 過去問刑法 第62問

問題

犯人蔵匿等罪に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア ある者が「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」として捜査対象になっているが真犯人ではないと考えてその者を蔵匿・隠避する行為には、犯人蔵匿等罪は成立しない。 イ 「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」との間の口裏合わせに基づいて、参考人として、警察官に対し、その者の身柄の拘束を免れさせるような虚偽の供述をする行為には、犯人蔵匿等罪が成立する。 ウ 「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」が犯した罪の法定刑が罰金以上であることを認識せずにその者を蔵匿・隠避する行為には、犯人蔵匿等罪は成立しない。 エ 「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」が自らを蔵匿・隠避する行為には犯人蔵匿等罪は成立しないが、「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」が他人に自らを蔵匿・隠避するよう教唆する行為には犯人蔵匿等罪の教唆が成立する。 オ 捜査が開始される前に「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」を蔵匿・隠避する行為には、犯人蔵匿等罪は成立しない。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アエ
  3. 3イエ
  4. 4イオ
  5. 5ウオ

正解

3. イエ

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解説

正解は「イエ」。ア=誤り。犯人蔵匿等罪(刑法103条)の客体である「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」には、真犯人のみならず、犯罪の嫌疑によって捜査中の者も含まれる(最判昭24・8・9)。捜査対象となっていることを認識して蔵匿・隠避した以上、真犯人でないと考えていたとしても本罪は成立する。イ=正しい。最高裁は、参考人が犯人との間で口裏合わせをした上、警察官に対して犯人の身柄の拘束を免れさせるような内容の虚偽の供述をした行為について、刑法103条にいう「隠避」に当たるとした(最決平29・3・27)。「隠避」は蔵匿以外の方法により官憲による発見・逮捕を免れさせる一切の行為をいう。ウ=誤り。本罪の故意としては、蔵匿等の客体が罰金以上の刑に当たる罪を犯した者であることを基礎づける事実の認識があれば足り、その罪の法定刑が罰金以上であるという法的評価まで認識している必要はない。法定刑の評価を誤ったにすぎない場合はあてはめの錯誤であり、故意を阻却しない。エ=正しい。犯人自身による蔵匿・隠避は期待可能性を欠くとして不可罰であるが、他人を教唆して自己を蔵匿・隠避させる行為は、防御権の濫用として犯人蔵匿等罪の教唆犯が成立する(最決昭40・2・26、最決平18・11・21参照)。オ=誤り。刑法103条は「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者」を客体とするのみで、捜査の開始を要件としていない。捜査開始前に犯人を蔵匿・隠避した場合も本罪が成立する。したがって正しいのはイとエである。(出典: 令和7年度 司法書士試験 午前の部 第25問)

一問一答

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