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民法難易度: 2022年度

司法書士 過去問民法 第324問

問題

不動産の物権変動に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア Aがその所有する甲土地をBの強迫によりBに売却してその旨の登記をし、Bが強迫につき善意無過失のCに甲土地を売却してその旨の登記をした場合であっても、その後、AがBとの間の売買契約を強迫を理由として取り消したときは、Aは、Cに対し、甲土地の所有権を主張することができる。 イ Aの所有する甲土地を時効により取得したBは、その時効の完成前にAから甲土地を購入してその旨の登記をしたCに対し、甲土地の所有権を主張することができない。 ウ Aがその所有する甲土地をBに売却し、その旨の登記をした後、Bの債務不履行により当該売買契約を解除した場合において、その後、BがCに甲土地を売却し、その旨の登記をしたときは、Aは、Cに対し、甲土地の所有権を主張することができない。 エ A及びBが甲土地を共同相続したが、Aが、Bに無断で、甲土地を単独で相続した旨の登記をした上で甲土地をCに売却し、AからCへの所有権の移転の登記をしたときは、Bは、Cに対し、甲土地の持分を主張することができない。 オ Aがその所有する甲土地をBに遺贈する旨の遺言を残して死亡し、Bが遺贈の承認をした場合において、その後、Aを単独で相続したCに対して債権を有するDが、Cが甲土地を相続したものとして代位による所有権の移転の登記をした上で甲土地を差し押さえ、その旨の登記がされたときは、Bは、Dに対し、甲土地の所有権を主張することができない。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4イエ
  5. 5エオ

正解

4. イエ

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解説

正解は「イエ」(誤っているものの組合せ)。 ア=正しい。強迫による意思表示の取消しについては、詐欺の場合の民法96条3項のような第三者保護規定が置かれていない。強迫を受けた表意者には帰責性が乏しく、より厚い保護が与えられているからである。したがってAは取消前の第三者Cが善意無過失であっても、Cに対して甲土地の所有権を主張することができる。根拠:民法96条1項・3項 イ=誤り。時効完成前に登記名義を取得した第三者は、時効取得者にとって当事者と同視される地位に立つから、時効取得者は登記がなくてもその者に時効による所有権の取得を対抗することができる(最判昭和41年11月22日等)。登記が必要となるのは時効完成後の第三者に対してである。根拠:民法177条、162条 ウ=正しい。解除によって生ずる復帰的物権変動と解除後に現れた第三者への物権変動とは対抗関係に立ち、登記の先後によって優劣が決まる(最判昭和35年11月29日)。Cが先に登記を備えている以上、AはCに所有権を主張することができない。根拠:民法545条1項ただし書、177条 エ=誤り。共同相続人の一人が単独で相続した旨の登記をして第三者に譲渡しても、他の共同相続人の持分については無権利者による処分であり、譲受人は当該持分を取得しない。したがってBは登記がなくてもCに対して自己の持分を主張することができる(最判昭和38年2月22日)。根拠:民法898条、177条 オ=正しい。遺贈による不動産の所有権の取得は、登記がなければ第三者に対抗することができない(最判昭和39年3月6日)。相続人の債権者Dが代位による相続登記を経て差押えの登記をした以上、受遺者Bは登記を備えていないからDに対して所有権を主張することができない。根拠:民法177条、964条 以上より、誤っているのはイとエであり、正解は「イエ」となる。(出典: 令和4年度 司法書士試験 午前の部 第7問)

一問一答

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