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民法難易度: 2025年度

司法書士 過去問民法 第264問

問題

物権的請求権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア Aが所有する甲土地上にBが権原なく乙建物を新築し、乙建物について所有権の保存の登記がされた場合において、BがCに乙建物を売却したが、その旨の登記がされていないときは、Bは、Aに対し、乙建物の所有権の喪失を主張して、乙建物の収去及び甲土地の明渡しの義務を免れることはできない。 イ Aが所有する甲土地上にBが権原なく乙建物を新築し、Cに乙建物を賃貸したときは、Aは、Cに対し、乙建物の収去を請求することができる。 ウ AとBが各 2 分の 1 の持分の割合で共有する甲土地上にCが権原なく乙建物を新築したときは、Aは、単独で、Cに対し、乙建物の収去及び甲土地の明渡しを請求することができる。 エ AがBの所有する自動車を盗んでCが所有する甲土地上に権原なく放置しているときは、Cは、Bに対し、当該自動車の撤去を請求することはできない。 オ Aが所有する甲土地にBのために通行地役権が設定されている場合において、Cが甲土地を権原なく占有してBの通行を妨害しているときは、Bは、Cに対し、地役権に基づいて甲土地の明渡しを請求することができる。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アウ
  3. 3イエ
  4. 4ウオ
  5. 5エオ

正解

2. アウ

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解説

正解は「アウ」。ア=正しい。最高裁は、他人の土地上の建物の所有権を取得した者が自らの意思に基づいて所有権取得の登記を経由した場合には、たとえその後建物を第三者に譲渡したとしても、その旨の登記を経ない限り、土地所有者に対して建物所有権の喪失を主張して建物収去・土地明渡しの義務を免れることはできないとした(最判平6・2・8)。登記名義を保有する以上、土地所有者に対する関係で責任を負う。イ=誤り。建物収去義務を負うのは建物の所有者であり、賃借人Cは建物を所有していないから収去義務を負わない。土地所有者AがCに対してできるのは建物からの退去および土地の明渡し請求である(最判昭35・6・17参照)。ウ=正しい。共有物に対する不法占拠者への妨害排除請求は、共有物の保存行為(民法252条5項)として各共有者が単独で行うことができる(最判昭31・5・10)。持分2分の1のAも単独で建物収去・土地明渡しを請求できる。エ=誤り。物権的請求権の相手方は現に妨害状態を生じさせている者であるが、判例は、盗まれた自動車が第三者の土地上に放置されている場合、その自動車の所有者は所有権に基づく妨害排除義務を負うとする。所有者Bは自らの意思によらずに置かれた物であっても所有者として撤去義務を免れないと解されており、CはBに対して撤去を請求できる。オ=誤り。地役権は承役地を占有する権利を含まないから、地役権者は地役権に基づいて承役地の明渡しを請求することはできない(最判平25・2・26)。地役権者がなしうるのは通行妨害行為の排除請求にとどまる。したがって正しいのはアとウである。(出典: 令和7年度 司法書士試験 午前の部 第7問)

一問一答

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