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民法難易度: 標準2022年度

司法書士 過去問民法 第325問

問題

即時取得に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア A所有の甲動産につき無権利のBが、Cとの間で、Cに対する金銭債務の履行に代えて甲動産の給付をする旨の代物弁済契約をしてCに現実の引渡しをした場合において、CがBの無権利につき善意無過失であるときは、Cは、甲動産を即時取得する。 イ 未成年者Aがその所有する甲動産をBに売却して現実の引渡しをした後、AB間の売買契約が未成年であることを理由に取り消されたが、その後、Bが、取消しにつき善意無過失のCに甲動産を売却して現実の引渡しをした場合には、Cは、甲動産を即時取得する。 ウ A所有の甲動産につき無権利のBがCに甲動産を寄託している場合において、Bが、Bの無権利につき善意無過失のDに甲動産を売却し、Cに対して以後Dのためにこれを占有することを命じ、Cがこれを承諾したときは、Dは、甲動産を即時取得することができない。 エ A所有の未登録の甲自動車につき無権利のBが、Bの無権利につき善意無過失のCに甲自動車を売却して現実の引渡しをした場合には、Cは、甲自動車を即時取得することができない。 オ A所有の甲動産をBが占有している場合において、Bの債権者Cが甲動産を差し押さえ、競売手続により、甲動産をAが所有していることにつき善意無過失のDが甲動産を買い受けたときは、Dは、甲動産を即時取得することができない。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アエ
  3. 3イオ
  4. 4ウエ
  5. 5ウオ

正解

1. アイ

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解説

正解は「アイ」(正しいものの組合せ)。即時取得は、取引行為によって平穏かつ公然と動産の占有を始めた者が、善意無過失であるときに成立する(民法192条)。 ア=正しい。代物弁済も有効な取引行為であり、即時取得の前提となる。無権利者Bから代物弁済によって甲動産の現実の引渡しを受け、Bの無権利につき善意無過失であるCは、甲動産を即時取得する。根拠:民法192条、482条 イ=正しい。売買契約が未成年であることを理由に取り消されると、Bは遡って無権利者となる。その後Bから甲動産を買い受けて現実の引渡しを受けたCが、取消しの事実につき善意無過失であれば、Cは甲動産を即時取得する。根拠:民法192条、121条 ウ=誤り。即時取得の要件である占有の取得には、現実の引渡し、簡易の引渡しのほか、指図による占有移転も含まれる(最判昭和57年9月7日)。占有改定による場合には即時取得は成立しないが、指図による占有移転はこれと異なる。したがってDは甲動産を即時取得することができる。根拠:民法192条、184条 エ=誤り。登録された自動車は登録が公示方法とされるため即時取得の対象とならないが、未登録の自動車は動産として引渡しが公示方法となるから、即時取得の対象となる(最判昭和45年12月4日)。したがってCは甲自動車を即時取得することができる。根拠:民法192条、道路運送車両法5条 オ=誤り。競売手続における買受けも即時取得の前提となる取引行為に当たり、買受人が善意無過失であれば即時取得が成立する(最判昭和42年5月30日)。したがってDは甲動産を即時取得することができる。根拠:民法192条、民事執行法 以上より、正しいのはアとイであり、正解は「アイ」となる。(出典: 令和4年度 司法書士試験 午前の部 第8問)

一問一答

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