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刑法難易度: 標準2022年度

司法書士 過去問刑法 第72問

問題

窃盗罪に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア Aは、スーパーマーケットの店内で、ガムを万引きしようと考え、商品であるガム1 個を自己の上着の内ポケットに入れた。Aがそのガムを店外に持ち出す前に犯行を目撃した警備員に捕まった場合、Aには窃盗未遂罪が成立し、窃盗罪は成立しない。 イ Aは、Bが違法に所持しているけん銃を領得しようと考え、B宅を訪れた際に、Bに無断で、Bが押し入れに隠していたけん銃を自分の鞄の中に入れてB宅外に持ち出した。この場合、Aには窃盗罪が成立する。 ウ Aは、ゴルファーが誤ってゴルフ場の人工池に打ち込んで放置したいわゆるロストボールを領得して業者に売却しようと考え、周囲をフェンスで囲まれた甲ゴルフ場に忍び込んだ上、甲ゴルフ場内の人工池の底から多数のロストボールをすくい取り、これを甲ゴルフ場外に持ち出した。甲ゴルフ場では、いずれそのロストボールを回収して再利用することが予定されていた場合、Aには窃盗罪が成立する。 エ Aは、Aとは別居している祖父Bがその友人Cから依頼されてCが所有する宝石を預かっていることを知ったことから、その宝石をBから窃取した。AとCとの間には親族関係がない。この場合、Aは窃盗罪による刑が免除される。 オ Aは、同居人のBと共有し、共同して占有していたテレビを、Bに無断で持ち出し、質に入れた。この場合、Aには窃盗罪は成立しない。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アエ
  3. 3イウ
  4. 4イオ
  5. 5エオ

正解

3. イウ

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解説

正解は「イウ」(正しいものの組合せ)。 ア=誤り。窃盗罪の既遂時期は、財物に対する被害者の占有を排除して自己又は第三者の占有に移した時である。スーパーマーケットの店内で商品を自己の上着の内ポケットに入れた時点で、店側の占有は排除され行為者の占有に移ったといえるから、店外に持ち出す前であっても窃盗罪は既遂に達する。根拠:刑法235条 イ=正しい。窃盗罪が保護するのは財物に対する事実上の占有であり、その占有が法律上正当なものであることを要しない。したがって違法に所持されているけん銃であっても窃盗罪の客体となり、これを無断で持ち出した者には窃盗罪が成立する。根拠:刑法235条 ウ=正しい。ゴルフ場の人工池に打ち込まれて放置されたいわゆるロストボールについて、ゴルフ場がこれを回収して再利用する意思を有していた場合には、無主物ではなくゴルフ場の所有及び占有に属する物であるから、これを持ち出した者には窃盗罪が成立する(最決昭和62年4月10日)。根拠:刑法235条 エ=誤り。親族間の犯罪に関する特例が適用されるためには、窃取された財物の所有者及び占有者の双方との間に所定の親族関係があることを要する(最決平成6年7月19日)。所有者Cとの間に親族関係がない以上、祖父Bから窃取した場合であっても刑は免除されない。根拠:刑法244条1項 オ=誤り。自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、他人の財物とみなされる(刑法242条)。共有物を共同占有している場合において、他の共有者の占有を排除して持ち出した以上、窃盗罪が成立する。根拠:刑法242条、235条 以上より、正しいのはイとウであり、正解は「イウ」となる。(出典: 令和4年度 司法書士試験 午前の部 第26問)

一問一答

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