司法書士に戻る
不動産登記法難易度: 2022年度

司法書士 過去問不動産登記法 第256問

問題

登記原因についての第三者の許可、同意又は承諾を証する情報に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 地目が農地である土地に売買を原因とする所有権の移転の登記がされている場合において、当該売買の合意解除による当該所有権の移転の登記の抹消を申請するときは、農地法所定の許可があったことを証する情報を提供しなければならない。 イ 地目が農地である土地に買戻しの特約の登記がされている場合において、買戻しの期間中に買戻権が行使されたために買戻しによる所有権の移転の登記を申請するときは、農地法所定の許可があったことを証する情報を提供することを要しない。 ウ 地目が農地である土地について財産分与に関する調停が成立したことにより「財産分与」を原因とする所有権の移転の登記を申請する場合には、農地法所定の許可があったことを証する情報を提供することを要しない。 エ 取締役会設置会社でない甲株式会社がその代表取締役Aに対して甲株式会社が所有権の登記名義人である不動産を売却するに当たり甲株式会社の株主総会の承認を受けたことを証する情報を記載した株主総会議事録が書面によって作成されている場合において、当該売却による所有権の移転の登記を申請するときは、出席した取締役全員の記名押印がされた株主総会議事録及びその印鑑に関する証明書を添付しなければならない。 オ 取締役会設置会社である甲株式会社の取締役がA、B及びD、代表取締役がA及びBであり、取締役会設置会社である乙株式会社の取締役がA、C及びD、代表取締役がA及びCである場合において、Bが甲株式会社を、Cが乙株式会社をそれぞれ代表して甲株式会社が所有権の登記名義人である不動産を乙株式会社に売却し、当該売却による所有権の移転の登記を申請するときは、いずれの会社についても当該取引について取締役会の承認を受けたことを証する情報を提供することを要しない。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アウ
  3. 3イエ
  4. 4ウオ
  5. 5エオ

正解

3. イエ

詳しい解説を見る

解説

正解は「イエ」(誤っているものの組合せ)。 ア=正しい。農地について売買を原因とする所有権の移転の登記がされた後、その売買が合意解除された場合、所有権が売主に復帰することになり、農地について新たに権利が移動するのと実質的に同じである。したがって当該所有権の移転の登記の抹消を申請するには、農地法所定の許可があったことを証する情報を提供しなければならない。根拠:農地法3条、不動産登記令7条1項5号ハ イ=誤り。買戻権の行使による所有権の移転も農地について権利が移動するものであるから、農地法所定の許可があったことを証する情報を提供しなければならない。買戻しの特約が既に登記されていることは、許可を不要とする理由にならない。根拠:農地法3条、民法579条 ウ=正しい。家庭裁判所の調停が成立したことによって農地の権利が移転する場合には、農地法所定の許可を要しないものとして取り扱われる。裁判所の関与により当事者の意思と農地の適正な利用が確認されているからである。根拠:農地法3条1項、農地法施行規則 エ=誤り。取締役会設置会社でない株式会社における利益相反取引の承認は株主総会の決議による(会社法356条1項)。この承認を証する情報として提供する株主総会の議事録については、出席した取締役全員の記名押印及びその印鑑に関する証明書の添付までは要求されておらず、会社の代表者が作成したことを明らかにする方法によることができる。取締役会の議事録について押印及び印鑑証明書が要求されるのとは扱いが異なる。根拠:会社法356条1項、不動産登記令19条 オ=正しい。会社間の取引が利益相反取引に当たるのは、取締役が自己又は第三者のために会社と取引をする場合であり、取締役を兼任する者がいても、その者が双方の会社を代表していないときは利益相反取引に当たらない(最判昭和45年8月20日参照)。本問ではAはいずれの会社も代表しておらず、B及びCがそれぞれ代表しているから、取締役会の承認を受けたことを証する情報の提供を要しない。根拠:会社法356条1項2号、365条1項 以上より、誤っているのはイとエであり、正解は「イエ」となる。(出典: 令和4年度 司法書士試験 午後の部 第19問)

一問一答

全11科目1,000問を科目別に学習

不動産登記法の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では司書の全1350問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。司法書士試験は午前の部(憲法・民法・刑法・会社法商法)と午後の部(民事訴訟法等・供託法・司法書士法・不動産登記法・商業登記法)の択一式に、不動産登記と商業登記の記述式を加えた構成です。受験資格は不要で、行政書士や宅建からのステップアップにも向いています。