司法書士に戻る
会社法・商法難易度: 標準2023年度

司法書士 過去問会社法・商法 第177問

問題

商人(小商人、会社及び外国会社を除く。)の商号に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 商人は、同一の営業について、同一の営業所で複数の商号を有することができる。 イ 自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した商人が当該他人と取引した者に対して当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負うには、特段の事情がない限り、当該他人の営業が当該商人の営業と同種の営業であることを要する。 ウ 商人は、その商号を登記しなければ、不正の目的をもって自己と誤認されるおそれのある商号を使用する者に対し、営業上の利益の侵害の停止を請求することができない。 エ 営業の譲渡とともにされた商号の譲渡は、登記をしなければ、第三者に対抗することができない。 オ 営業を譲り受けた商人は、譲渡人の商号を引き続き使用する場合において、営業の譲渡がされた後、遅滞なく、譲渡人の債務を弁済する責任を負わない旨の登記をしたときは、譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負わない。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アウ
  3. 3イエ
  4. 4ウオ
  5. 5エオ

正解

2. アウ

詳しい解説を見る

解説

正解は「アウ」(誤っているものの組合せ)。 ア=誤り。商号単一の原則により、商人は、同一の営業について複数の商号を用いることはできない。取引の相手方に営業主体の同一性について誤認を生じさせるおそれがあるからである。複数の営業を営む個人商人が営業ごとに別個の商号を用いることは差し支えない。根拠:商法11条1項 イ=正しい。自己の商号を使用して営業又は事業を行うことを他人に許諾した商人は、当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う(商法14条。名板貸人の責任)。この責任が生ずるには、特段の事情がない限り、名板借人の営業が名板貸人の営業と同種であることを要する(最判昭和43年6月13日)。根拠:商法14条 ウ=誤り。不正の目的をもって他の商人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用する者があるときは、これによって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある商人は、その侵害の停止又は予防を請求することができる(商法12条2項)。この請求をするために自己の商号を登記していることは要件とされていない。根拠:商法12条 エ=正しい。商号の譲渡は、登記をしなければ、第三者に対抗することができない(商法15条2項)。なお、商号は営業とともにする場合又は営業を廃止する場合に限り譲渡することができる(同条1項)。根拠:商法15条 オ=正しい。営業を譲り受けた商人が譲渡人の商号を引き続き使用する場合、原則として譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負うが、営業を譲り渡した後、遅滞なく、譲受人が譲渡人の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、この責任を負わない(商法17条1項・2項)。根拠:商法17条 以上より、誤っているのはアとウであり、正解は「アウ」となる。(出典: 令和5年度 司法書士試験 午前の部 第35問)

一問一答

全11科目1,000問を科目別に学習

会社法・商法の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では司書の全1350問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。司法書士試験は午前の部(憲法・民法・刑法・会社法商法)と午後の部(民事訴訟法等・供託法・司法書士法・不動産登記法・商業登記法)の択一式に、不動産登記と商業登記の記述式を加えた構成です。受験資格は不要で、行政書士や宅建からのステップアップにも向いています。