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憲法難易度: 標準2024年度

司法書士 過去問憲法 第64問

問題

表現の自由に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 公務員又は公職選挙の候補者に対する評価、批判等の表現行為について、その表現内容が真実でなく、又はそれが専ら公益を図る目的のものでないことが明白であって、かつ、被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被るおそれがある場合には、当該表現行為の事前差止めを認めても憲法第 21 条第 1 項に違反するものではない。 イ 公職の選挙に関し戸別訪問を禁止する目的は、戸別訪問という手段方法がもたらす弊害を防止し、もって選挙の自由と公正を確保するという正当なものであるが、一律に戸別訪問を禁止することは、合理的でやむを得ない限度を超えて意見表明の自由を制約するものであり、当該目的との間に合理的な関連性があるということができず、憲法第 21 条第 1 項に違反する。 ウ 報道機関が、取材の目的で、公務員に対し、国家公務員法で禁止されている秘密漏示行為をするようそそのかす行為は、その手段・方法にかかわらず正当な取材活動の範囲を逸脱するものであるから、これを処罰しても、憲法第 21 条の趣旨に反しない。 エ 公務員及びその家族が私的生活を営む場所であり一般に人が自由に出入りすることのできる場所ではない集合住宅の共用部分及び敷地に管理権者の意思に反して立ち入ることは、それが政治的意見を記載したビラの配布という表現の自由の行使のためであっても許されず、当該立入り行為を刑法上の罪に問うことは、憲法第 21 条第 1 項に違反するものではない。 オ 傍聴人が法廷においてメモを取ることは、その見聞する裁判を認識、記憶するためになされるものである限り、憲法第 21 条第 1 項の規定の精神に照らして尊重されるべきであり、理由なく制限することはできない。(参考)憲法第 21 条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

選択肢

  1. 1アエ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4イオ
  5. 5ウエ

正解

3. イウ

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解説

正解は「イウ」。ア=正しい。北方ジャーナル事件で最高裁は、公務員または公職選挙の候補者に対する評価・批判等の表現行為について、その表現内容が真実でなく、またはそれが専ら公益を図る目的のものでないことが明白であって、かつ被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被るおそれがあるときは、例外的に事前差止めが許されるとした(最大判昭61・6・11)。イ=誤り。最高裁は、戸別訪問の禁止は、意見表明そのものの制約ではなく、意見表明の手段方法のもたらす弊害の防止をねらいとする間接的・付随的な制約にすぎず、得られる利益は失われる利益に比してはるかに大きいとして、合理的で必要やむを得ない限度を超えるものではなく憲法21条1項に違反しないとした(最判昭56・6・15)。ウ=誤り。外務省秘密漏洩事件で最高裁は、報道機関が公務員に対し秘密を漏示するようそそのかしたとしても、それが真に報道の目的から出たものであり、その手段・方法が法秩序全体の精神に照らし相当なものとして社会観念上是認されるものである限り、正当な業務行為として違法性が阻却されるとした(最決昭53・5・31)。「手段・方法にかかわらず」逸脱するとする点が誤り。エ=正しい。立川反戦ビラ事件で最高裁は、政治的意見を記載したビラの配布のためであっても、管理権者の意思に反して集合住宅の共用部分および敷地に立ち入ることは、住居の平穏を侵害するものであり、これを刑法130条前段の罪に問うことは憲法21条1項に違反しないとした(最判平20・4・11)。オ=正しい。レペタ事件で最高裁は、傍聴人が法廷においてメモを取ることは、その見聞する裁判を認識、記憶するためになされるものである限り、憲法21条1項の規定の精神に照らして尊重されるべきであり、故なく妨げられてはならないとした(最大判平元・3・8)。したがって誤っているのはイとウである。(出典: 令和6年度 司法書士試験 午前の部 第1問)

一問一答

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