司法書士に戻る
不動産登記法難易度: 2024年度

司法書士 過去問不動産登記法 第225問

問題

次の対話は、法定相続分に応じてされた相続による所有権の移転の登記(以下「法定相続分での相続登記」という。)がされている場合の登記手続に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 教授: 今日は、甲土地を所有するAが死亡し、甲土地について法定相続分での相続登記がされている場合において、Aの相続人間で遺産分割協議が成立し、相続人の一人であるBが甲土地の所有権を単独で取得したという事例について考えてみましょう。当該事例において、Bが、他の相続人と共同して、他の相続人からBへの持分全部の移転の登記を申請することはできますか。 ア いいえ、できません。 教授: それでは、当該事例において、甲土地をBの単独所有とする所有権の更正の登記を申請する場合について考えていきましょう。当該所有権の更正の登記の登記原因は何になりますか。 イ 登記原因は錯誤になります。 教授: 当該所有権の更正の登記は、誰から申請することができますか。 ウ Bが、単独で申請することができます。 教授: では、当該事例において、法定相続分での相続登記がされた後に、甲土地の所有権全部を目的として抵当権の設定の登記がされた場合において、当該所有権の更正の登記の申請をするときは、添付情報として当該抵当権の抵当権者の承諾を証する情報を提供しなければなりませんか。 エ はい、当該承諾を証する情報を提供しなければなりません。 教授: 最後に、当該事例において、所有権の更正の登記が申請され、その登記が完了した場合には、当該登記の登記権利者に登記識別情報が通知されますか。 オ いいえ、登記識別情報は通知されません。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4ウエ
  5. 5エオ

正解

4. ウエ

詳しい解説を見る

解説

正解は「ウエ」。法定相続分での相続登記がされた後に遺産分割によって一人が単独取得した場合の登記手続を問う問題である。ア=誤り。教授の問いは、他の相続人からBへの持分全部移転の登記を申請することができるかである。法定相続分での相続登記がされた後に遺産分割によって一人が単独取得した場合、従来から、他の相続人の持分をBに移転する「遺産分割」を原因とする持分全部移転の登記によることが認められている。したがって「できません」とする解答は誤りである。なお令和5年3月28日民二第538号通達により、これに代えて所有権の更正の登記によることもできるものとされた。イ=誤り。法定相続分での相続登記を遺産分割の結果に合わせて更正する場合の登記原因は「錯誤」ではなく「年月日遺産分割」である。当初の登記は法定相続分に従った有効な登記であり、その後の遺産分割によって権利関係が変動したものだからである。ウ=正しい。上記通達により、遺産分割による所有権の更正の登記は、登記権利者となる者(単独取得した相続人B)が単独で申請することができる。相続登記の申請の負担を軽減し、相続登記の義務化の実効性を確保する趣旨である。エ=正しい。所有権の更正の登記により持分を失う者の持分を目的として抵当権の設定の登記がされている場合、抵当権者は登記上の利害関係を有する第三者に当たるから、その承諾を証する情報を提供しなければならない(不動産登記法68条・66条)。オ=誤り。所有権の更正の登記により持分を増加させる登記権利者は、その登記によって新たに登記名義人となる者に当たるから、登記識別情報が通知される(不動産登記法21条)。したがって正しいのはウとエである。(出典: 令和6年度 司法書士試験 午後の部 第20問)

一問一答

全11科目1,000問を科目別に学習

不動産登記法の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では司書の全1350問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。司法書士試験は午前の部(憲法・民法・刑法・会社法商法)と午後の部(民事訴訟法等・供託法・司法書士法・不動産登記法・商業登記法)の択一式に、不動産登記と商業登記の記述式を加えた構成です。受験資格は不要で、行政書士や宅建からのステップアップにも向いています。