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民法難易度: 2025年度

司法書士 過去問民法 第265問

問題

不動産の物権変動に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア A所有の甲土地がAからBへ、BからCへと順次売却された後、AB間の売買契約が合意により解除された場合には、Cは、BからCへの所有権移転登記がされていないときであっても、Aに対し、甲土地の所有権の取得を主張することができる。 イ A及びBが甲土地を共同相続した場合において、Bが、甲土地について単独で相続した旨の登記をした上で甲土地をCに売却し、その旨の登記がされたときは、Aは、Cに対し、当該登記の全部抹消登記手続をすることを請求することができる。 ウ 甲土地を所有するAが死亡し、Aの子B及びCのうちBが相続の放棄をしてCがAの唯一の相続人となった場合には、Bの債権者Dが甲土地をBも共同相続したものとしてBのその持分を差し押さえたときであっても、Cは、Dに対し、甲土地の単独所有権の取得を主張することができる。 エ A所有の甲土地をAがBに売却したが、その旨の登記がされていないことを奇貨として、CがBを害する目的で甲土地をAから買い受け、その旨の登記がされた場合には、その後、Cが事情を知らないDに甲土地を売却し、その旨の登記がされたときであっても、Bは、Dに対し、甲土地の所有権の取得を主張することができる。 オ AがB所有の甲土地を占有し、取得時効が完成した後、その旨の登記がされない間に、CがBから甲土地について抵当権の設定を受け、その旨の登記がされた場合において、Aがその後引き続き時効取得に必要な期間甲土地の占有を継続したときは、Aが当該抵当権の存在を容認していたなどの特段の事情がない限り、Aは、甲土地の取得時効を援用し、Cに対し、当該抵当権の消滅を主張することができる。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アエ
  3. 3イオ
  4. 4ウエ
  5. 5ウオ

正解

5. ウオ

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解説

正解は「ウオ」。ア=誤り。合意解除も含め契約の解除により第三者の権利を害することはできず(民法545条1項ただし書)、第三者が保護されるためには対抗要件としての登記を備えていることを要する(最判昭33・6・14)。BからCへの所有権移転登記がされていない以上、CはAに対し所有権取得を主張できない。イ=誤り。共同相続人の一人が勝手に単独相続の登記をして第三者に譲渡した場合、他の共同相続人は自己の持分については登記なくして対抗できるが、請求できるのは自己の持分についての一部抹消(更正)登記手続であって、登記の全部抹消を請求することはできない(最判昭38・2・22)。ウ=正しい。相続の放棄をした者は初めから相続人とならなかったものとみなされ(民法939条)、判例は相続放棄の効力は絶対的で、何人に対しても登記等なくしてその効力を生ずるとする(最判昭42・1・20)。したがってCは放棄後に持分を差し押さえたDに対し、登記なくして単独所有権の取得を主張できる。エ=誤り。背信的悪意者からの転得者については、転得者自身が背信的悪意者と評価されるのでない限り、第一譲受人は登記なくして対抗できない(最判平8・10・29)。事情を知らないDに対し、Bは登記なくして所有権取得を主張できない。オ=正しい。取得時効完成後に設定・登記された抵当権について、時効取得者がその後さらに時効取得に必要な期間占有を継続した場合には、抵当権の存在を容認していたなど特段の事情がない限り、再度の取得時効の完成により抵当権は消滅し、時効取得者は抵当権者に対しその消滅を主張できる(最判平24・3・16)。したがって正しいのはウとオである。(出典: 令和7年度 司法書士試験 午前の部 第8問)

一問一答

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