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民法難易度: 2025年度

司法書士 過去問民法 第272問

問題

抵当権の消滅に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 抵当権者が同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権を放棄した場合において、当該他の債権者の債権が弁済により消滅したときは、その抵当権は、放棄がなかったのと同じ状態に戻る。 イ 抵当不動産を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当不動産の代価をその抵当権者に弁済した場合には、後順位の抵当権は、その順位が上昇する。 ウ 共有不動産全体に抵当権が設定されている場合には、当該共有不動産の共有持分のみを取得した第三取得者は、自己の共有持分について単独で抵当権消滅請求をすることができる。 エ 抵当権を実行することができる時から民法第166条第 2 項の消滅時効期間が経過したときは、抵当権設定者は、抵当権者に対し、時効による抵当権の消滅を主張することができる。 オ 地上権を目的として抵当権を設定した地上権者は、その地上権を放棄したときであっても、その放棄をもって抵当権者に対抗することができない。(参考)民法第166条 (略)2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する。3 (略)

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4イエ
  5. 5エオ

正解

2. アオ

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解説

正解は「アオ」。ア=正しい。抵当権の放棄は、放棄をした抵当権者と利益を受ける債権者との間でのみ効力を有する相対的なものである。したがって利益を受けた債権者の債権が弁済により消滅すれば、放棄の目的が失われ、抵当権は放棄がなかったのと同じ状態に復する。イ=誤り。代価弁済(民法378条)により抵当権が消滅するのは「その第三取得者のために」であって、抵当権が絶対的に消滅するわけではない。相対的消滅にとどまるから、後順位抵当権の順位が上昇することはない。ウ=誤り。抵当権消滅請求をすることができるのは抵当不動産の所有権を取得した第三者である(民法379条)。共有持分のみを取得した者は不動産全体に及ぶ抵当権を消滅させる地位になく、単独で抵当権消滅請求をすることはできない。エ=誤り。民法396条は、抵当権は債務者および抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ時効によって消滅しないと定める。被担保債権が存続する限り、設定者が抵当権のみの時効消滅を主張することはできない。オ=正しい。民法398条は、地上権または永小作権を抵当権の目的とした地上権者または永小作人は、その権利を放棄しても、これをもって抵当権者に対抗することができないと定める。抵当権の目的である権利を設定者が一方的に消滅させて抵当権者を害することを防ぐ趣旨である。したがって正しいのはアとオである。(出典: 令和7年度 司法書士試験 午前の部 第15問)

一問一答

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