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民法難易度: 2025年度

司法書士 過去問民法 第271問

問題

法定地上権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 甲土地を所有するAが、甲土地上にあるB所有の乙建物をBから買い受けた後、その旨の登記がされないまま、Aが甲土地に抵当権を設定した場合において、抵当権の実行によりCが甲土地の所有権を取得したときは、法定地上権は成立しない。 イ A所有の甲土地にBのために第 1 順位の抵当権が設定された後、甲土地上にA所有の乙建物が建築され、次いで、甲土地にCのために第 2 順位の抵当権が設定された場合において、第 2 順位の抵当権の実行によりDが甲土地の所有権を取得したときは、Bが乙建物の建築を承認していたときであっても、法定地上権は成立しない。 ウ A所有の甲土地上にあるB所有の乙建物にCのために第 1 順位の抵当権が設定された後、BがAから甲土地を買い受け、次いで、乙建物にDのために第 2 順位の抵当権が設定された場合において、第 1 順位の抵当権の実行によりEが乙建物の所有権を取得したときは、法定地上権は成立しない。 エ A所有の甲土地上にA及びB共有の乙建物がある場合において、Aが甲土地に抵当権を設定し、抵当権の実行によりCが甲土地の所有権を取得したときは、法定地上権は成立しない。 オ A所有の甲土地上にA所有の乙建物がある場合において、Aが甲土地及び乙建物に共同抵当権を設定した後、乙建物が取り壊され、次いで、Aから甲土地を賃借したBが甲土地上にB所有の丙建物を建築した後、抵当権の実行によりCが甲土地の所有権を取得したときは、法定地上権は成立しない。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アエ
  3. 3イウ
  4. 4イオ
  5. 5エオ

正解

4. イオ

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解説

正解は「イオ」。ア=誤り。法定地上権の成立要件である「同一所有者」に当たるかは実体上の権利関係で判断され、登記の有無は問わない。判例は、土地に抵当権が設定された当時、土地と地上建物が同一人の所有に属していれば、建物について所有権移転登記を経ていなくても法定地上権が成立するとした(最判昭48・9・18)。したがって法定地上権は成立する。イ=正しい。更地に1番抵当権が設定された後に建物が築造され、その後2番抵当権が設定された場合、2番抵当権の実行による競売であっても法定地上権は成立しない(最判平2・1・22)。1番抵当権者が建物の築造を承認していたとしても、更地としての担保価値の把握を前提とする以上、結論は変わらない(最判昭52・10・11)。ウ=誤り。建物に1番抵当権が設定された当時は土地と建物の所有者が異なっていても、その後同一人に帰属し、次いで2番抵当権が設定された場合には、1番抵当権の実行による競売でも法定地上権が成立する(最判昭53・9・29)。建物抵当権者にとって法定地上権の成立は不利益ではないためである。土地に抵当権が設定された場合(イ)と結論が逆になる点が本問の眼目である。エ=誤り。土地所有者が建物の共有者の一人である場合には、他の建物共有者のためにも土地の利用権を確保する必要があるから、法定地上権が成立する(最判昭46・12・21)。土地が共有である場合に成立を否定する判例(最判昭29・12・23)と混同しないこと。オ=正しい。土地建物に共同抵当権が設定された後に建物が取り壊され新建物が築造された場合、新建物の所有者が土地の所有者と同一であり、かつ新建物に土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたなどの特段の事情がない限り、法定地上権は成立しない(最判平9・2・14=全体価値考慮説)。本記述では新建物はB所有で土地所有者Aと異なるから、なおさら成立しない。したがって正しいのはイとオである。(出典: 令和7年度 司法書士試験 午前の部 第14問)

一問一答

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