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会社法・商法難易度: 2025年度

司法書士 過去問会社法・商法 第152問

問題

譲渡制限株式に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 種類株式発行会社でない株式会社の発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の変更をする株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上であって、当該株主の議決権の 3 分の 2 以上に当たる多数をもって行わなければならない。 イ 株式の譲渡に係る承認手続を経ないで行われた譲渡制限株式の譲渡は、譲渡当事者間においては有効である。 ウ 譲渡制限株式を取得した株式取得者は、株式会社に対して当該譲渡制限株式を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求するときは、当該株式会社がその承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は指定買取人が当該譲渡制限株式を買い取ることも併せて請求しなければならない。 エ 譲渡制限株式の取得について承認をしない旨の決定をした株式会社が、当該譲渡制限株式の買取りに係る事項を決定し、譲渡等承認請求者に対して当該事項を通知したときであっても、当該譲渡等承認請求者は、当該株式会社の承諾を得ないで、当該株式会社又は指定買取人が当該譲渡制限株式を買い取ることの請求を撤回することができる。 オ 相続により譲渡制限株式を取得した者が株式会社に対して株主名簿の名義書換の請求をするには、当該譲渡制限株式を取得したことについて当該株式会社の承認を受けなければならない。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アウ
  3. 3イエ
  4. 4ウオ
  5. 5エオ

正解

1. アイ

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解説

正解は「アイ」。ア=正しい。発行する全部の株式の内容として譲渡制限の定めを設ける定款変更は、株主にとって投下資本回収の途を狭める重大な変更であるため、特殊決議によることを要する。会社法309条3項1号は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上であって、当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行わなければならないと定める。頭数要件が加わる点が通常の特別決議と異なる。イ=正しい。判例は、会社の承認を得ずにされた譲渡制限株式の譲渡は、会社に対する関係では効力を生じないが、譲渡当事者間においては有効であるとした(最判昭48・6・15)。ウ=誤り。会社法138条2号ハは、株式取得者が承認の請求をする場合において、会社が承認をしない旨の決定をするときに会社または指定買取人が買い取ることを請求するときは、その旨を明らかにしなければならないと定めるにとどまる。買取請求をするかどうかは請求者の任意であって、併せて請求することが義務づけられているわけではない。エ=誤り。会社法143条は、譲渡等承認請求者は、会社法141条1項または142条1項の規定による通知を受けた後は、株式会社または指定買取人の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができると定める。会社が買取りの準備として供託等をした後の一方的撤回を認めると会社に不測の損害を与えるためである。オ=誤り。譲渡制限は「譲渡による取得」の制限であり、相続その他の一般承継による取得には及ばない(会社法134条4号参照)。相続により譲渡制限株式を取得した者は、会社の承認を受けることなく名義書換を請求できる。したがって正しいのはアとイである。(出典: 令和7年度 司法書士試験 午前の部 第28問)

一問一答

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