司法書士に戻る
不動産登記法難易度: 2025年度

司法書士 過去問不動産登記法 第203問

問題

次の対話は、権利能力なき社団であるA社団の構成員全員に総有的に帰属する甲土地の所有権の登記名義人がA社団の代表者Bである場合に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 教授: A社団の代表者としてCが追加して選任された場合には、B及びCが申請するBからCへの所有権の一部移転の登記の登記原因は何ですか。 ア 「委任の変更」となります。 教授: 次に、Bが死亡し、後日、A社団の代表者としてCが就任したという事例を「本件事例」としましょう。本件事例において、CがA社団の代表者に就任したことにより、甲土地についてBからCへの所有権の移転の登記を申請する場合には、その登記原因の日付はいつになりますか。 イ Bが死亡した日となります。 教授: 本件事例において、A社団の代表者としてCが就任したため、甲土地についてBからCへの所有権の移転の登記を申請しようとしたが、その申請をする前に、Bの相続人であるDが相続を原因とするBからDへの所有権の移転の登記を申請し、その旨の登記がされていたとします。この場合には、Cは、どのような登記の申請をすることとなりますか。 ウ Cは、BからDへの所有権の移転の登記の抹消の申請をしなくても、DからCへの委任の終了を原因とする所有権の移転の登記の申請をすることができます。 教授: 本件事例において、甲土地についてBからCへの所有権の移転の登記を申請する前に、Cは、A社団を代表して甲土地をEに売却したとします。この場合には、C及びEは、売買を原因とするBからEへの所有権の移転の登記を申請することはできますか。 エ いいえ、できません。 教授: 最後に、事例を変えて、A社団がFから金銭を借り入れ、その貸金債権を担保するためにFを抵当権者とする抵当権が甲土地に設定されたとします。当該抵当権の設定の登記を申請する場合には、債務者としてA社団の名称を申請情報の内容とすることはできますか。 オ はい、できます。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4ウエ
  5. 5エオ

正解

5. エオ

詳しい解説を見る

解説

正解は「エオ」。権利能力なき社団は登記名義人となることができないため、その所有不動産は代表者個人の名義で登記される。代表者が交代した場合の登記の扱いを問う問題である。ア=誤り。代表者が追加して選任された場合の前代表者から新代表者への持分移転の登記原因は「委任の終了」である。「委任の変更」という登記原因は存在しない。イ=誤り。前代表者Bの死亡後に新代表者Cが就任した事例では、Bの死亡によって直ちにCへ権利が移転するわけではない。登記原因日付は、Cが代表者に就任した日である。Bの死亡の時点では帰属先となる新代表者が存在しないからである。ウ=誤り。Bの相続人Dへの相続を原因とする所有権移転の登記は、実体上の権利関係(社団構成員の総有)に合致しない無効な登記である。したがってCは、まずBからDへの所有権移転の登記の抹消を申請しなければならず、DからCへの委任の終了を原因とする移転登記によることはできない。エ=正しい。登記名義人はBのままであるから、CがA社団を代表して甲土地をEに売却したとしても、BからEへ直接に所有権移転の登記を申請することはできない。実体上はB名義の状態からC(新代表者)を経てEに至るのであり、中間を省略した登記は認められない。オ=正しい。権利能力なき社団は登記名義人となることはできないが、抵当権の債務者は登記名義人ではなく登記事項として表示されるにすぎないから、債務者としてA社団の名称を申請情報の内容とすることができる。したがって正しいのはエとオである。(出典: 令和7年度 司法書士試験 午後の部 第14問)

一問一答

全11科目1,000問を科目別に学習

不動産登記法の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では司書の全1350問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。司法書士試験は午前の部(憲法・民法・刑法・会社法商法)と午後の部(民事訴訟法等・供託法・司法書士法・不動産登記法・商業登記法)の択一式に、不動産登記と商業登記の記述式を加えた構成です。受験資格は不要で、行政書士や宅建からのステップアップにも向いています。