問題
Y 市で古くから製麺業を営む A 製麺所は、2年ほど前からその材料と製法に工夫を凝らした生麺を「〇〇〇」という商品名で売り出し、 A 製麺所の店先や、 Y 市のスーパーで販売をしていたが、商標「〇〇〇」については商標登録出願をしていなかった。 A 製麺所の生麺「〇〇〇」は、今年に入って、ようやく Y 市でも味と食感に優れたおいしい生麺として人に知られるところとなり、売れ行きも好調になってきていた。 そのような矢先突然、株式会社 B 製麺所(以下「 B 製麺所」という。)というところから、 A 製麺所のものと同じ商標「〇〇〇」で商品区分・第30類について商標権を取得したので、 A 製麺所の商標「〇〇〇」の使用を直ちに中止して欲しい旨の内容証明が送られてきた。 そこで、 A 製麺所から相談を受けたあなたが商標公報を見たところ、確かに B 製麺所は生麺、生そばを含む商品区分・第30類について商標「〇〇〇」について商標権を取得しているが、出願日は A 製麺所が生麺を商標「〇〇〇」で売り出した日から1年後であることが判明した。 A 製麺所に対するアドバイスとして最も適切なものはどれか。
選択肢
- 1A 製麺所が、商標「〇〇〇」を B 製麺所の登録出願日よりも先に使用を開始していたといっても、わが国は先願主義によっており、先に出願され、商標権が取得された以上、 B 製麺所の登録商標と同一の A 製麺所の商標使用は中止せざるを得ないと思います。
- 2A 製麺所の商標「〇〇〇」を付した生麺は、味と食感に優れているということで、今では Y 市で知られた存在となっていることから、周知商標として保護され、そのまま使用できるはずです。
- 3A 製麺所は、 B 製麺所の商標登録出願日よりも前に商標「〇〇〇」の使用を開始していたのですから、 B 製麺所の登録商標「〇〇〇」は当然無効であるので、商標登録無効審判を提起できるはずです。
- 4A 製麺所は、 B 製麺所の商標登録出願日よりも前に商標「〇〇〇」の使用を開始していたのである以上、当然使用する権利があるはずですから、その旨の回答をしたらよいでしょう。
正解
1. A 製麺所が、商標「〇〇〇」を B 製麺所の登録出願日よりも先に使用を開始していたといっても、わが国は先願主義によっており、先に出願され、商標権が取得された以上、 B 製麺所の登録商標と同一の A 製麺所の商標使用は中止せざるを得ないと思います。
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解説
正解はアです。わが国の商標法は先願主義(商標法第8条)を採用しており、先に出願し登録を受けた者が商標権を有します。 A 製麺所は先に使用していたものの出願をしていなかったため、 B 製麺所が適法に商標権を取得した以上、原則としてその使用は中止せざるを得ません。アが最も適切です。イ・エは先使用権(商標法第32条)の主張に近いものですが、先使用権が認められるには他人の出願時に「需要者の間に広く認識されている(周知)」必要があり、本問では Y 市で知られ始めた段階にすぎず周知性の要件を満たすとは限らないため、「そのまま使用できる」「当然使用する権利がある」と断定するのは不適切です。ウは、単に先使用の事実だけでは登録が当然無効とはならず、無効審判で確実に勝てるとはいえないため誤りです。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成19年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第6問)
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