問題
中小企業診断士であるあなたは、X 株式会社の全株所有者である甲社長から相談を受けた。以下は、あなたと甲社長との会話の一部である。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。 甲社長:「(前略)当社は、若干ですが、不動産の賃貸業もやっていますから、Y 株式会社に引き継いでもらうとしても本業だけにして、不動産の賃貸業は残しておこうかと思うんです。」 あなた:「事業譲渡、会社分割の方法で可能になると思いますよ。」 甲社長:「なるほど。事業譲渡と会社分割なら、どちらの方がいいわけですか。」 あなた:「どちらにも一長一短ありますし、Y 株式会社の都合にもよりますから、何ともいえません。」 甲社長:「じゃあ、この2つの方法で、何か違うところがあるのですか。」 あなた:「ありますよ。例えば、 B 」 (設問2) 会話の中の空欄Bに入る文章として最も適切なものはどれか。
選択肢
- 1事業譲渡の場合は、金銭が対価でなければなりませんが、会社分割の場合は、法律上、Y 株式会社の株式が対価でなければなりません。Y 株式会社にとっては、会社分割の方が、資金手当が必要でない点がメリットとなります。
- 2事業譲渡の場合は、譲渡した部分は、Y 株式会社の一部として組み込まれますが、会社分割の場合は、法人格を保ったまま、会社ごと、Y 株式会社の子会社になります。
- 3事業譲渡の場合は、譲渡の対価は当然に Y 株式会社から甲社長に支払われますが、会社分割の場合は、譲渡の対価は当然に Y 株式会社から X 株式会社に支払われることになります。
- 4事業譲渡の場合は、取引先も従業員も当然に Y 株式会社に引き継がれますが、会社分割の場合は、取引先や従業員から個別の同意が必要となります。
正解
2. 事業譲渡の場合は、譲渡した部分は、Y 株式会社の一部として組み込まれますが、会社分割の場合は、法人格を保ったまま、会社ごと、Y 株式会社の子会社になります。
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解説
最も適切なのは「事業譲渡では譲渡した部分が Y 株式会社の一部として組み込まれ、会社分割では法人格を保ったまま会社ごと Y 株式会社の子会社になる」とする説明です。事業譲渡は個々の資産・負債・契約を個別に移転する取引行為で、譲渡された事業部分は譲受会社(Y社)に組み込まれます。一方、会社分割では本業を分社化した子会社が法人格を保ったまま Y 社の子会社となります。会社分割の対価が法律上必ず Y 社株式に限られるとする説明は誤り(金銭等も可能)で、対価の支払先が「事業譲渡では当然に甲社長、会社分割では当然に X 社」とする説明も不正確です。事業譲渡では取引先も従業員も当然に引き継がれるとする説明は、実際には事業譲渡こそ契約上の地位や雇用の移転に個別の同意が必要で、会社分割では原則包括承継となるため、説明が逆で誤りです。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成20年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第4問 設問2)
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