問題
以下は、中小企業診断士であるあなたと、顧客である D 株式会社の乙社長との会話である。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。 なお、乙社長には、長男、次男、長女の3人の子ども(いずれも嫡出子)がおり、長男が D 株式会社の専務取締役となっている。乙社長の妻は2年前他界しており、次男及び長女は、ともに他県で会社員として生計を立てている。 乙社長:「私ももう68歳になったので、そろそろ長男に会社を任せようと思っているんですよ。ただ、当社の建物が建っている土地は、私の個人名義の土地ですから、私が死んだ後に、子どもたちで相続争いが起こっても困ると思いましてね。それで、公正証書で遺言書を作ってもらえばいいという話を本で読んだものですから、先月、公証人役場に行って、長男にすべての遺産を相続させるという遺言書を作成してもらってきたんですわ。これでもう安心ですよ。」 あなた:「社長、遺言書があるから、安心とは限りませんよ。民法には、 A という制度がありますから、今回の場合、ご次男とご長女は、それぞれが遺産の B 分の1ずつ、その権利を主張することができます。そうすると、遺産の内容によっては、ご長男が、その分を金銭で準備せざるを得なくなる事態もありえますので、注意された方がよろしいと思いますよ。」 (設問1) 会話の中の空欄Aに入る最も適切なものはどれか。
選択肢
- 1遺留分
- 2過剰遺言の取消
- 3寄与分
- 4特別受益
正解
1. 遺留分
詳しい解説を見る解説を閉じる
解説
空欄Aには「遺留分」が入ります。遺留分とは、一定の相続人(兄弟姉妹を除く法定相続人)に法律上保障された遺産の最低限の取り分であり、これを侵害する遺言があった場合でも、遺留分権利者は遺留分減殺請求(平成20年当時の旧民法)により取り戻すことができます。本問では長男に全遺産を相続させる遺言があっても、次男・長女は遺留分を主張できます。「過剰遺言の取消」という制度は存在せず誤り、「寄与分」は被相続人の財産形成に貢献した相続人の取り分を増やす制度、「特別受益」は生前贈与等を相続分の前渡しとして扱う制度で、いずれも本問の趣旨と異なります。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成20年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第5問 設問1)
中小企業診断士トップ
一問一答・予想問題・まとめノート