問題
中小企業診断士のあなたは、いくつかの顧問先より、平成19年4月1日からその登録が認められるようになった小売等役務商標について、質問を受けた。 各質問に対する回答として、最も不適切なものはどれか。
選択肢
- 1質問「うちがこの『◯◯屋』という屋号で商標登録を受けた場合、この屋号を独占排他的に使用できるのでしょうか。」回答「もし同業者が、この『◯◯屋』という屋号を平成19年3月31日以前から使用していた場合でも、周知でない限り、貴店の屋号と区別できるように何らかの記号を付け加えるように求めることはできます。」
- 2質問「うちの店と同じ屋号で同業者が商標権を取得してしまった場合、うちの屋号を使用することが制限されるのでしょうか。」回答「貴店は、この屋号を平成19年3月31日以前から使用しているのですから、たとえ同業者に同じ屋号で商標権を取得されてしまっても、その使用につき一切制限を受けないはずですよ。」
- 3質問「うちの店は私で2代目であり、古くから続いている雑貨屋ですが、うちの店の屋号である『鈴木商店』という名前でも商標登録が受けられるのでしょうか。」回答「この『鈴木商店』という屋号はありふれており、日本全国で多くの小売業者が使用している可能性があるので、そのままでは商標登録を受けるのは難しいでしょう。」
- 4質問「うちはスーパーなのですが、うちで扱っている商品についてすでにいくつか商品商標を取得しています。さらに小売等役務商標を取得するメリットがあるのでしょうか。」回答「貴店のように多種類の商品を取り扱うお店にあっては、1つの小売等役務商標で商標権を取得すれば貴店のすべての取扱商品をカバーできる場合があるので、経済的であり、メリットがありますよ。」
正解
2. 質問「うちの店と同じ屋号で同業者が商標権を取得してしまった場合、うちの屋号を使用することが制限されるのでしょうか。」回答「貴店は、この屋号を平成19年3月31日以前から使用しているのですから、たとえ同業者に同じ屋号で商標権を取得されてしまっても、その使用につき一切制限を受けないはずですよ。」
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解説
最も不適切なのは、平成19年3月31日以前から使用していれば商標権を取得されても「一切制限を受けない」とする回答です。先使用権(商標法第32条)は、他人の商標登録出願前から不正競争の目的なく使用し、その商標が需要者の間に広く認識されている(周知である)場合に認められます。したがって、単に出願前から使用していただけでは足りず「周知」であることが要件であり、「一切制限を受けない」とは限らないため、この回答は不適切です。先使用権者に対して混同防止のための表示(記号の付加)を求めうるとする回答は正しく(同条第2項)、「鈴木商店」のようなありふれた商号は識別力を欠き登録が困難とする回答も正しく、1つの小売等役務商標で多数の取扱商品をカバーできる経済性を説く回答も正しいです。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成20年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第7問)
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