問題
会社法では、株式会社は株主との合意により当該会社の株式(以下「自己株式」という。)を有償で取得することができると定めている。それに関連した以下の設問に答えよ。 なお、本問で想定している会社は、株式会社で取締役会設置会社であるが、会計監査人設置会社ではない。また、発行する株式には、譲渡制限が付されており、異なる種類の株式はなく、市場価格がないものとする。 (設問1) 会社法では、株式会社は株主との合意によりすべての株主に申し込み機会を与えて自己株式を有償で取得することができると定めている。このような有償取得を行うに当たって、会社法で定められた手続きや方法および財源規制についての説明として、最も不適切なものはどれか。
選択肢
- 1このような有償取得では、あらかじめ株主総会で株式の取得に関する事項を決議しなければならない。この決議は臨時株主総会でもよいが、取得することができる期間は、次回の定時株主総会の期日を越えることはできない。
- 2このような有償取得では、その都度、取締役会で取得する株式の数、株式1株を取得するのと引換えに交付する金銭等の内容等およびその総額、株式の譲り渡しの申し込みの期日を決定し、株主に通知しなければならない。
- 3このような有償取得では、当該行為により株主等に対して交付する金銭等の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。
- 4このような有償取得では、譲り渡しの申し込みの期日において、株主の申込総数が、株式会社が決定した取得総数を超えるときは、取得総数を申込総数で除して得た数に株主が申し込みをした株式の数を乗じて得た数の株式の譲り受けを承諾したものとみなされる。
正解
1. このような有償取得では、あらかじめ株主総会で株式の取得に関する事項を決議しなければならない。この決議は臨時株主総会でもよいが、取得することができる期間は、次回の定時株主総会の期日を越えることはできない。
詳しい解説を見る解説を閉じる
解説
会社法156条1項によれば、株主との合意による自己株式の取得には、株主総会の普通決議で「取得する株式の数」「取得対価の総額」「株式を取得できる期間(1年を超えない期間)」を定めます。取得できる期間は「次回の定時株主総会の期日まで」ではなく、決議で定めた期間(1年を超えない範囲で自由に設定可能)です。よってアが最も不適切です。イは156条・158条に基づく取締役会決定と株主通知、ウは461条の財源規制(分配可能額を超えてはならない)、エは159条2項の按分(プロラタ)方式での承諾みなしという、いずれも正しい説明です。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成21年度 中小企業診断士1次試験 経営法務第18問 設問1)
中小企業診断士トップ
一問一答・予想問題・まとめノート