問題
(設問2) 会社法では、株式会社は株主との合意により特定の株主から自己株式を有償で取得することができると定めている。 この場合、特定の株主だけが株式を会社に売却できるのでは、株主平等原則を損なうおそれがある。このため会社法では、他の株主に、当該特定の株主に加えて自己をも売主とするよう請求できる権利(以下「売主追加請求権」という。)を定めている。この規定についての説明として、最も不適切なものはどれか。
選択肢
- 1会社が、株主の相続人からその相続により承継した自己株式を取得する場合には、売主追加請求権の規定は適用されない。ただし、当該相続人が株主総会ですでに議決権を行使した場合はこの限りではない。
- 2会社が、その子会社の有する当該会社(親会社)の株式を取得する場合には、売主追加請求権の規定は適用されない。
- 3特定の株主から自己株式を有償で取得することについて、売主追加請求権の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。この定めをするには、株主総会の特別決議が必要となる。
- 4特定の株主から自己株式を有償で取得するときには、あらかじめ株主総会の特別決議が必要である。この場合には、特定の株主は議決権を行使することができない。ただし、特定の株主以外の株主の全部が議決権を行使することができない場合はこの限りでない。
正解
3. 特定の株主から自己株式を有償で取得することについて、売主追加請求権の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。この定めをするには、株主総会の特別決議が必要となる。
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解説
会社法164条1項によれば、特定の株主からの自己株式取得に関し「売主追加請求権の規定を適用しない」旨を定款で定めることができますが、この定款変更を行うためには「株主全員の同意」が必要です(会社法164条2項)。「株主総会の特別決議」では足りないため、ウが最も不適切です。アは162条の相続人からの取得の特則(議決権行使がない場合に売主追加請求権の適用除外)、イは163条の子会社からの取得の特則(売主追加請求権の規定の不適用)、エは160条・309条2項2号の株主総会特別決議要件と特定株主の議決権行使制限という、いずれも正しい説明です。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成21年度 中小企業診断士1次試験 経営法務第18問 設問2)
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