問題
行動経済学は、ノーベル経済学賞受賞者を出すなど、最近注目されている分野である。次の文中の空欄AおよびBに入る最も適切な用語の組み合わせを下記の解答群から選べ。 行動経済学において、目先の利得に惑わされ、将来の利得を過度に低く評価してしまいがちという考え方は、[ A ]という。また、得の領域では低い確率を高く見積もり、損の領域では高い確率を低く見積もることで、損失を利益より過大に見積もってしまうことは、[ B ]という。
選択肢
- 1A:双曲割引 B:限定合理性
- 2A:双曲割引 B:プロスペクト理論
- 3A:限定合理性 B:双曲割引
- 4A:プロスペクト理論 B:限定合理性
正解
2. A:双曲割引 B:プロスペクト理論
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解説
行動経済学の代表的概念を整理する。 空欄A:「目先の利得を過大に評価し、遠い将来の利得を相対的に低く割り引く」傾向は「双曲割引(hyperbolic discounting)」と呼ばれる。指数割引(伝統的経済学の前提)と異なり、現在に近いほど時間選好率が高いため、現在バイアスや先延ばし行動の説明に用いられる。 空欄B:「得の領域では低い確率を高く見積もり、損の領域では高い確率を低く見積もる」とともに、「同額の損失を同額の利益より過大に評価する(損失回避)」現象は、カーネマンとトベルスキーが提唱した「プロスペクト理論(prospect theory)」によって体系的に説明される。確率の主観的歪み(確率加重関数)と価値関数の非対称性(参照点依存・損失回避・感応度逓減)が要点である。 したがって、A:双曲割引、B:プロスペクト理論、すなわちイが正解である。 アの「限定合理性」は人間の認知資源や情報処理能力の限界に起因する合理性の制約(サイモン)を指す概念で、本問の損失・利得の評価バイアスとは別物である。ウ・エはA・Bの組み合わせが文脈と合致しない。 (出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成22年度 中小企業診断士1次試験 経済学・経済政策 第21問)
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