問題
E社では、創業以来のオーナー経営者が引退することとなり事業承継のあり方を検討していたが、オーナー経営者の後継者として適当な人材がいなかった。そこで、M&Aを活用し外部の有能な経営者に事業を承継させたいと考えた。このような場合において、友好的なM&Aを行う上でふさわしいと考えられる手段として、最も適切なものはどれか。
選択肢
- 1MBI
- 2MBO
- 3TOB
- 4ホワイトナイト
正解
1. MBI
詳しい解説を見る解説を閉じる
解説
M&A(企業の合併・買収)における各種手法の理解を問う問題である。 【各M&A手法の定義】 ア(MBI:Management Buy-In):「外部の」経営者・経営チームが、買収対象企業を買収して経営を引き継ぐM&A手法。買収後、新しい経営陣がその企業の経営を主導する。 イ(MBO:Management Buy-Out):「現在の経営陣」が自社の株式を買い取って、企業のオーナーシップを取得するM&A手法。事業承継というよりは、現経営陣が支配権を維持・強化する手法。 ウ(TOB:Take-Over Bid):株式公開買付。証券取引所外で、市場価格を上回る価格で株主から株式を買い集める手法。敵対的TOBもあれば友好的TOBもある。本問の「外部の有能な経営者に承継させる」目的とは直接対応しない。 エ(ホワイトナイト):敵対的買収を仕掛けられた企業が、友好的な第三者(救世主)に買収してもらう手法。「友好的M&A」というより「敵対的買収への対抗策」である。 【本問の状況】 E社のオーナー経営者が引退し、社内に後継者がいないため、「外部の有能な経営者に事業を承継させたい」という状況。これは典型的なMBI(Management Buy-In)のケースに該当する。 【各選択肢の判定】 ア(MBI):外部の経営者が買収して経営を引き継ぐ。本問の状況にぴったり該当。正しい。 イ(MBO):現経営陣が買収するため、後継者問題の解決にはならない(オーナー経営者が引退するだけで、社内に後継者がいない設定)。誤り。 ウ(TOB):手法としては可能だが、「外部経営者への承継」を直接表す手法ではない。誤り。 エ(ホワイトナイト):敵対的買収への対抗策であり、本問の事業承継の文脈には合わない。誤り。 したがってMBIが最も適切。よってアが正解。 【補足】 中小企業の事業承継においては、近年MBI(外部経営者による承継)やM&A(第三者承継)が増加している。後継者不足の解決策として注目されている。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成22年度 中小企業診断士1次試験 財務・会計 第20問)
中小企業診断士トップ
一問一答・予想問題・まとめノート