問題
次の文書を読んで、下記の設問に答えよ。 地球温暖化防止をめぐって、様々な提案や取り組みが国際的に展開されているが、その動向は企業の戦略行動や国の環境対応に影響を与えている。特に二酸化炭素の排出量が問題となっている産業では、企業は二酸化炭素の排出を削減したりエネルギー消費を抑える技術の開発に熱心である。二酸化炭素排出量を削減する努力は企業に新たなコスト負担を強いることになるが、他方では開発された環境技術を活かして新たな市場が生まれつつある。 (設問1)文中の下線部①で指摘するような地球温暖化防止の試みとして、1997年の京都議定書では排出量取引が認められた。排出量取引に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
選択肢
- 1一般に排出量取引のコストは環境技術やシステムの開発コストより低いため、排出量取引が選好されて、温室効果ガスの排出削減が進まないことが懸念されている。
- 2開発途上国の企業は先進国が開発した環境技術を導入することで、その開発コストを負担しないですむため、先進国と開発途上国の間でコスト負担にインバランスが生じることになる。
- 3日本では排出量取引は全産業を対象にして自主参加型のものが試行されている段階である。
- 4排出量取引では、排出量を排出枠内に抑えて発生した余剰(炭素クレジット)を、排出枠を超えて排出してしまった国が買い取れば、排出枠を遵守したと見なされる。
正解
3. 日本では排出量取引は全産業を対象にして自主参加型のものが試行されている段階である。
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解説
日本における排出量取引(試行排出量取引スキーム)は、本問が問われた2010年時点では「全産業を対象にして自主参加型のもの」というよりも、自主参加型の試行スキームとして個別企業が任意で参加する制度であり、対象も特定分野に限定的であった。「全産業を対象にして」という記述は実態と異なり最も不適切。アは排出量取引のコストが技術開発コストより低い場合に取引が選好されるという経済合理性の指摘で適切。イは技術導入による開発途上国の負担軽減と先進国との不均衡という論点で適切。エは排出枠遵守の仕組み(クレジット購入によるオフセット)の説明として適切。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成22年度 中小企業診断士1次試験 企業経営理論 第11問 設問1)
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