問題
下図は、日本の名目GDP成長率と実質GDP成長率を示したものである。この図から読み取れることおよび経済状況の説明として最も適切なものはどれか。

選択肢
- 11960年代の高度経済成長期には、持続的な物価の上昇が見られ、これは貨幣価値を上昇させる効果を持つ。
- 21970年代前半には、第1次オイルショックに伴い、物価の上昇と不況が発生し、スタグフレーションの現象に陥った。
- 31980年代後半には、円高不況、バブル経済、アジア通貨危機を経験し、その後、長期の景気低迷を迎えることとなった。
- 42000年代は、持続的な物価の下落が見られ、これは企業の実質債務の増加や実質利子率の上昇を生じさせる効果を持つ。
- 5「名目GDP成長率 = 実質GDP成長率 − GDPデフレータ変化率」という関係が成立し、名目GDP成長率と実質GDP成長率の差は物価の変化を表している。
正解
4. 2000年代は、持続的な物価の下落が見られ、これは企業の実質債務の増加や実質利子率の上昇を生じさせる効果を持つ。
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解説
本問は名目GDPと実質GDPの差から物価動向と経済状況を読み取らせる問題で、正解はエである。2000年代の図からは名目GDP成長率が実質GDP成長率を下回る年が続き、GDPデフレータがマイナス、すなわち持続的な物価下落(デフレ)が観察される。デフレ下では実質債務(名目額/物価)が増加し、フィッシャー方程式(名目利子率=実質利子率+期待インフレ率)より実質利子率も上昇するため、エの記述は正しい。 アは誤り。物価上昇は貨幣価値の「下落」を意味する。イは誤り。第1次オイルショックは1973年に発生したが、当時の現象は「インフレーションと景気停滞の同時発生(スタグフレーション)」であり時期表現は概ね合うものの、図の1970年代前半は名目成長率が高い一方で実質成長率が大きく落ち込んでおりイの内容は時期と現象が一致する記述としても、最適なのはエである。ウは誤り。バブル経済は1980年代後半だが、アジア通貨危機(1997年)は1990年代後半の出来事である。オは誤り。正しい関係式は「名目GDP成長率 ≒ 実質GDP成長率 + GDPデフレータ変化率」である。 (出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成23年度 中小企業診断士1次試験 経済学・経済政策 第2問)
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