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企業経営理論難易度: 2013年度

中小企業診断士 過去問企業経営理論 第2問

問題

企業が経済的な取引を管理する際に実施する統治選択(governance choice)についてはオプションを持っているのが通常である。その内容を垂直統合か非垂直統合かによって大きく2つに分けた場合、非垂直統合による管理・統治の方法は、さらに逐次契約(sequential contracting)、完備契約(complete contingent claims contracts)、スポット市場契約(spot-market contract)などに分類できる。 完備契約とスポット市場契約に関する記述として、最も適切なものはどれか。

選択肢

  1. 1完備契約は、契約履行の詳細なモニタリングと、取引主体が契約上の義務を果たさない場合に法的な制裁が科されるという脅威で機会主義をコントロールできる。
  2. 2完備契約は、取引主体の権利と義務を詳細に特定している契約であるが、取引において将来いくつかの異なる展開を示す可能性は想定していない。
  3. 3スポット市場契約では、複雑な契約書の作成や履行は必要がなく、多数の買い手と売り手が存在すれば機会主義の脅威が小さくなる。
  4. 4スポット市場契約は、市場で取引される製品やサービスの品質確認に大きなコストをかければ、機会主義的な行動の脅威は小さくなる。
  5. 5スポット市場契約は、市場で取引される製品やサービスの品質が低いコストで保証され、取引の相手が限られている場合には経済的な取引を管理・統治する適切な方法である。

正解

1. 完備契約は、契約履行の詳細なモニタリングと、取引主体が契約上の義務を果たさない場合に法的な制裁が科されるという脅威で機会主義をコントロールできる。

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解説

完備契約は、想定可能なすべての将来の事態における当事者の権利と義務を詳細に特定する契約であり、契約履行の精緻なモニタリングと法的制裁の脅威によって取引主体の機会主義(自己利益追求行動)をコントロールする。よってアが最も適切。イは完備契約はまさに将来のいくつかの異なる展開を想定する契約のため誤り。ウはスポット市場契約は単純で多数の買い手・売り手が存在する場合に有効だが、契約書作成・履行が一切不要というわけではないが、多数の取引主体の存在が機会主義脅威を抑える点は概ね正しい。しかし「複雑な契約書の作成や履行は必要がなく」とまで言い切るのは過剰で、アの方がより的確な記述。エはスポット市場契約は品質確認コストを小さく抑える環境で機能するもので、大きなコストをかける前提はスポット市場の利点を否定する。オはスポット市場は「多数の」取引相手が存在する場合に適合する方法で「取引の相手が限られている」場合には適合しない。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成25年度 中小企業診断士1次試験 企業経営理論 第6問 設問2)

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