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経営法務難易度: 標準2013年度

中小企業診断士 過去問経営法務 第1問

問題

事業承継に関する以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役であり、かつ、X社の全株式を保有する甲氏との間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、X社は、取締役会設置会社である。 甲氏:「私ももう70歳です。そろそろ第一線から退いて、後継者と考えている長男の乙に株式をすべて譲り、私は、取締役相談役といった形で経営にかかわっていきたいと考えています。ただ、長男はまだ40歳で、経営者としてはまだ少し若いような気がするので、少し不安が残ります。」 あなた:「それでしたら、甲さんが現在保有している株式はすべて乙さんに譲りつつ、新たに甲さんに【A】を発行したらいかがでしょうか。そうすれば、甲さんの賛成がなければ、X社の株主総会決議事項又は取締役会決議事項の全部又は一部を決議できないようにできます。」 甲氏:「なるほど。そのような株式を発行することができるのですね。」 あなた:「ただし、この株式を発行した場合、【B】ので、注意してくださいね。」 甲氏:「分かりました。」 会話の中の空欄Aに入る語句として最も適切なものはどれか。

選択肢

  1. 1拒否権付株式
  2. 2取得条項付株式
  3. 3取得請求権付株式
  4. 4役員選任権付株式

正解

1. 拒否権付株式

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解説

会社法108条1項8号に規定される「拒否権付株式」(いわゆる黄金株)は、株主総会・取締役会の決議事項のうち、その決議のほか当該種類株主を構成員とする種類株主総会の決議が必要となる株式である。すなわち拒否権付株式の保有者が反対すれば、会社の意思決定ができなくなる仕組みであり、まさに「甲さんの賛成がなければ決議事項の全部又は一部を決議できないようにできる」という会話の説明と一致する。よってアが正解。 イの「取得条項付株式」(108条1項6号)は、一定の事由が生じたときに会社が株主の同意なく株式を取得できる株式、ウの「取得請求権付株式」(同項5号)は株主が会社に株式の取得を請求できる株式であり、いずれも拒否権を与える機能はない。 エの「役員選任権付株式」(108条1項9号)は、種類株主総会において取締役・監査役を選任できる権利を付与する種類株式で、非公開会社のみ発行可能だが、これは「決議全体を拒否できる」性質のものではない。 事業承継の局面で、株式を後継者に集中させつつ先代経営者がチェック機能を残す手段として、拒否権付株式の発行が会社法解説書でも紹介される典型例である。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成25年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第4問 設問1)

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