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経営法務難易度: 2013年度

中小企業診断士 過去問経営法務 第15問

問題

上場している製薬企業甲社と、医療支援ビジネスを手掛けるベンチャー企業乙社が、包括的な事業提携契約を締結した。次のa〜eの者のうち、甲社が上場している証券取引所における事業提携契約の適時開示前に、甲社・乙社間の事業提携契約の締結を知った上で自ら甲社株式の売買をすることにつき、インサイダー取引による規制対象者の範囲に含まれない者(複数の者による共犯関係が成立する場合を除く。)として最も適切な組み合わせを、下記の解答群から選べ。 a 乙社取締役会における承認・報告がないのに事業提携契約を締結したことを、乙社代表取締役から伝えられた社外の第三者から教わった乙社取締役A b 甲社の代表取締役として事業提携先候補の選定を行った後、半年前に取締役を退任したB c 甲社取材の際に偶然耳にした役員同士の立ち話から、乙社との事業提携を知った経済誌記者C d 顧問先である乙社の役員から甲社との事業提携を知らされた中小企業診断士D e 事業提携について甲社代表取締役から伝えられた証券会社担当者に教わった甲社株主E

選択肢

  1. 1aとc
  2. 2aとe
  3. 3bとd
  4. 4cとe

正解

4. cとe

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解説

金融商品取引法上のインサイダー取引規制(166条)は、「会社関係者」が職務等に関し知った重要事実に基づき売買することを禁止し、それと並んで「第一次情報受領者」(167条等)も規制対象とする。 a:乙社取締役Aは、それ自体が「上場会社の会社関係者」と並んで取引関係者として、乙社の役員という地位に基づき重要事実を「他者経由で」知ったとしても、取締役(会社関係者)の立場から得た情報という性質を帯び、規制対象となる。 b:取締役退任後1年以内の元取締役は「会社関係者」と同視され(166条1項5号、退任後1年以内)、規制対象。Bは「半年前」退任なのでこれに該当し、規制対象である。 c:経済誌記者Cが取材中に偶然耳にした立ち話で重要事実を知った場合、Cは会社関係者からその職務に関連して情報を「伝達された」のではなく、偶然取得した情報受領者にとどまり、第一次情報受領者(167条の「会社関係者から重要事実の伝達を受けた者」)の典型からは外れると整理される。よってCは規制対象外。 d:顧問先である乙社の役員から甲社との事業提携を知らされた中小企業診断士Dは、「契約締結者・契約締結交渉者から職務に関し情報を得た者」として会社関係者(166条1項4号)にも準じ、また第一次情報受領者として規制対象となる。 e:甲社代表取締役から提携を伝えられた証券会社担当者(第一次情報受領者)から、さらにEが情報を得た場合、Eは「第二次情報受領者」となる。インサイダー取引規制は原則として第一次情報受領者までを直接規制の対象とし、第二次以降の受領者は規制対象外とされる。よってEは規制対象外。 したがって規制対象外はcとeであり、エが正解。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成25年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第15問)

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