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経営法務難易度: 標準2014年度

中小企業診断士 過去問経営法務 第1問

問題

X株式会社(以下「X社」という。)は、Y株式会社(以下「Y社」という。)との間で、それぞれが出資して株式会社形態の新会社を設立し、合弁事業を行おうとしている。 次の2つの条項は、X社がY社との間で締結した合弁契約書に定められたものである。この2つの条項の標題として空欄A及びBに入る語句の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。 【A】 第○条 X社は、合弁会社の株式の全部又は一部を第三者に譲渡しようとする場合には、Y社に対し、書面をもって、当該譲渡の相手方(以下、本条において「譲受人」という。)の氏名又は名称、譲渡しようとする株式の数及び譲渡の条件を通知する。 2 Y社は、前項の通知が到達した日から60日以内にX社に対して買取りを希望する旨の書面による通知を行った場合には、Y社が指定する公認会計士によって合弁会社の資産状態その他一切の事情を考慮して定められた価格で、X社が譲渡を希望する株式を買い取ることができるものとする。 3 Y社は、X社に対し、合弁会社の株式の価格についての意見を前項の公認会計士に述べる機会を与えるものとする。 4 X社は、Y社が、第2項の期間内に買取りを希望する旨の書面による通知を行わなかった場合には、第1項で通知した数の合弁会社の株式を譲受人に対して譲渡できるものとする。 【B】 第○条 Y社は、次の各号の事由が生じた場合、X社に対し、Y社が保有する合弁会社の株式の全部又は一部を、Y社が指定する公認会計士によって合弁会社の資産状態その他一切の事情を考慮して定められた価格で、買い取るよう請求することができるものとする。 (1) X社Y社いずれの当事者の責めに帰することのできない事由により、X社とY社との間又はX社が指名した取締役とY社が指名した取締役との間で意見が対立して調整がつかず合弁会社の事業運営が滞った場合 (2) X社Y社いずれの当事者の責めに帰することのできない事由により、合弁会社に重大な損失が生じ、合弁会社の事業の継続が不可能又は著しく困難となった場合 (3) 前各号に掲げるもののほか、X社Y社いずれの当事者の責めに帰することのできない事由により、合弁会社の事業の遂行が不可能となった場合

選択肢

  1. 1A:拒否権 B:コール・オプション
  2. 2A:拒否権 B:プット・オプション
  3. 3A:先買権 B:コール・オプション
  4. 4A:先買権 B:プット・オプション

正解

4. A:先買権 B:プット・オプション

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解説

【A】の条項は、株式を第三者に譲渡しようとする側(X社)が他方当事者(Y社)に対して譲渡条件を事前通知し、Y社が希望すれば優先的に買い取れる権利を定めている。これは合弁契約で典型的に用いられる「先買権(First Refusal Right、ROFR)」の条項であり、合弁パートナー以外の第三者が容易に株主とならないようにする目的をもつ。「拒否権」は重要事項について少数派当事者が否決できる権利であり、譲渡買取りの仕組みとは異なる。 【B】の条項は、合弁事業がデッドロックや重大事由により継続困難になった場合に、Y社が自己の保有株式をX社に「買い取らせる」ことを請求できる権利である。保有者が他方当事者に対し「売り付ける」権利を持つので「プット・オプション(Put Option)」に該当する。逆に「コール・オプション(Call Option)」は買主側が売主から株式を「買い取る」権利を意味するため不適切。 したがって、A=先買権、B=プット・オプションの組合せが正しく、エが正解。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成26年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第2問 設問1)

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