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経営法務難易度: 標準2014年度

中小企業診断士 過去問経営法務 第1問

問題

取引先の信用状態が悪化した場合における債権回収に関する以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社の代表取締役甲氏との間で行われたものである。 甲氏:「Y社が振り出した手形が不渡りになったという情報を聞きました。Y社に対しては、売掛債権が1億円もあるんです。これを回収できないとなると当社の経営に大きな打撃となってしまいます。」 あなた:「何か担保は取っていなかったのですか。」 甲氏:「何も取れませんでした。」 あなた:「その売掛債権の内容はどうなっていますか。」 甲氏:「Y社は、卸売業者です。当社は、取引基本契約書を締結して、Y社に対して当社の製品を販売し、Y社は、これを小売業者に転売しています。当社がY社に対して有する売掛債権は、当社の製品をY社に販売して発生したものです。」 あなた:「その売掛債権について、支払期限は、もう来ているのですか。」 甲氏:「いや、まだ来ていません。」 あなた:「では、取引基本契約書に、【A】として、手形の不渡りが定められていますか。」 甲氏:「いや、ちょっと分かりません。」 あなた:「ちょっと契約書を見せてもらえますか。」 甲氏:「どうぞ、これです。」 あなた:「どれどれ。ああ、ここに定められていますね。【B】を行使するには支払期限が到来している必要があるのですが、ここに【A】として手形の不渡りが定められているので、いますぐ【B】を主張できるかもしれません。【B】を主張できれば、甲さんの会社がY社に販売した製品について、他の債権者に先立って弁済を受ける権利、つまり、優先弁済権が認められます。」 会話の中の空欄Aに入る語句として最も適切なものはどれか。

選択肢

  1. 1危険の移転事由
  2. 2期限の利益喪失事由
  3. 3契約の解除事由
  4. 4契約の取消事由

正解

2. 期限の利益喪失事由

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解説

本問の会話では、本来まだ売掛債権の支払期限が到来していないにも関わらず、相手方の手形不渡りという信用悪化事由を契約に定めておくことで、「支払期限が到来したものとみなして」直ちに支払請求や担保権の行使ができるようにする仕組みが論点となっている。これは民法137条の法定の期限の利益喪失事由に加え、契約で約定された「期限の利益喪失事由」にあたる。手形の不渡り・破産手続開始・差押え等を約定喪失事由として定めておけば、これらの事由が発生した時点で債務者は期限の利益を失い、債権者は直ちに弁済請求できる。 「危険の移転事由」は売買目的物の滅失損傷リスクが買主に移る要件、「契約の解除事由」は契約を将来に向かって消滅させる事由、「契約の取消事由」は錯誤・詐欺・強迫等の意思表示の瑕疵による取消し原因をそれぞれ意味するが、いずれも本問の文脈に合わない。よってイが正解。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成26年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第4問 設問1)

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