問題
選択肢
- 1株主が違法な社債の発行の事前差止めを求めて訴えることはできず、専ら事後的に取締役・執行役の損害賠償責任を追及するしか是正手段がない。
- 2総額1億円未満の少人数私募債については有価証券届出書の提出等の開示義務がなく、届出がないこと等について投資家への告知義務もない。
- 3取締役会設置会社においては、社債を発行するに当たり、募集事項の決定を代表取締役に委任することができない。
- 4振替社債については、社債券が発行されていないので、投資家保護のための開示規制が適用される有価証券に該当しない。
正解
2. 総額1億円未満の少人数私募債については有価証券届出書の提出等の開示義務がなく、届出がないこと等について投資家への告知義務もない。
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解説
金融商品取引法4条1項により、有価証券の募集等は原則として有価証券届出書の提出が必要だが、同条1項各号・5項により、勧誘の相手方が50名未満(少人数私募)かつ発行価額の総額が1億円未満等の小規模な社債発行(少人数私募債)は届出義務が免除される。投資家への告知義務についても、金商法上の「届出制」の対象外なので法定の告知義務はない。よってイが適切。アは違法な社債発行についても株主は会社法360条の取締役の違法行為差止請求権類似の手段は限定的だが、判例上は株主が取締役の違法な行為について差止めを求めることが可能とされ、また会社法210条類推等の議論もあり「事後的損害賠償しか手段がない」は誤り。ウは会社法362条4項5号により取締役会設置会社では募集社債の発行は取締役会決議を要するが、同条によりその一部を代表取締役に委任することは可能(同法362条4項柱書ただし書および会社法施行規則・実務上の重要事項に限らない事項の委任)。エは振替社債(社債、株式等の振替に関する法律66条等)も金商法上の有価証券(金商法2条1項6号)に該当し、開示規制も適用される。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成27年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第19問)
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