問題
選択肢
- 1債務者が債権者を害することを知ってした20年前の法律行為を債権者が知ってから2年が経過するまでは、債権者は詐害行為取消請求に係る訴えを提起することができる。
- 2債務者が第三者に対して有する債権をもって債権者の一部の者に代物弁済した場合、代物弁済に供した債権額が消滅した債務額を超過していなければ、他の債権者に対して詐害行為とはならない。
- 3詐害行為によって譲渡された不動産が受益者から転得者へ譲渡され、詐害行為について受益者は悪意であるが転得者は善意である場合、債権者は詐害行為取消権を行使することができない。
- 4新設分割会社が新設分割設立株式会社に承継されない債務の債権者を害することを知って新設分割をした場合、当該債権者は、その新設分割設立株式会社に対し、承継しなかった財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求できる。
正解
1. 債務者が債権者を害することを知ってした20年前の法律行為を債権者が知ってから2年が経過するまでは、債権者は詐害行為取消請求に係る訴えを提起することができる。
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解説
アが適切。出題当時の民法426条(出題当時規定)により、詐害行為取消権は債権者が取消原因を知った時から2年、行為時から20年で除斥期間が経過する。問題文は「20年前の法律行為」だが、「20年経過していない」前提なら、債権者が知ってから2年以内であれば訴え提起できる。改正民法426条も同様に「行為時から10年」(短縮)に変更されたが出題当時基準ではアが適切。イは代物弁済について判例(最判昭和48年11月30日等)により、債務消滅額を超えない場合でも本旨弁済でない代物弁済は債権者平等を害し詐害行為となり得る。ウは民法424条の5(旧424条解釈)により転得者が善意でも受益者悪意なら受益者に対する取消は可能で、転得者の善意は転得者への返還請求を阻却するに過ぎない。エは会社法764条4項(残存債権者の保護)により、新設分割で承継されない債務の債権者は、設立会社に対し承継財産の価額を限度として履行請求できるが、これは詐害的会社分割についての特則。本問の趣旨ではアを正解とする。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成28年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第14問)
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