問題
選択肢
- 1M. ポーター(M. Porter)によれば、競争戦略の基本は、規模の拡大による低コスト化の実現と製品差別化の同時追求にあり、製品差別化と結びつかない低コスト化の追求は、短期的には成功を収めても、中長期的には持続的な競争戦略にはならない。
- 2ある特定の製品の生産・販売の規模を拡大することによって、生産・販売に関わるコスト、特に単位当たりコストが低下する現象は、「範囲の経済」と呼ばれており、コスト・リーダーシップの基盤となる。
- 3経験効果とは、累積生産量の増加に伴い、単位当たりコストが一定の比率で低下する現象である。この累積生産量と単位当たりコストの関係に基づくと、将来の累積生産量から単位当たりコストを事前に予測して、戦略的に価格を設定することができる。
- 4製品差別化が実現している状況では、当該製品の顧客は代替的な製品との違いに価値を認めているために、競合製品の価格が低下しても、製品を切り換えない。したがって、このような状況では、需要の交差弾力性は大きくなる。
- 5製品ライフサイクルの初期段階で、コスト・リーダーとなるためには、大幅に価格を引き下げて、一気に市場を立ち上げるとともに、市場シェアを高める「上澄み価格政策」が有効である。
正解
3. 経験効果とは、累積生産量の増加に伴い、単位当たりコストが一定の比率で低下する現象である。この累積生産量と単位当たりコストの関係に基づくと、将来の累積生産量から単位当たりコストを事前に予測して、戦略的に価格を設定することができる。
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解説
経験効果(経験曲線効果)は累積生産量が倍増するごとに単位当たりコストが一定比率で低下する現象で、将来の累積生産量から事前にコストを予測した戦略的価格設定(先行値下げによる学習加速)が可能となる。ウが正しい。アはポーターは低コスト戦略と差別化戦略のトレードオフを強調し、両者の同時追求は「stuck in the middle」になると警告した。イは規模拡大による単位コスト低下は「規模の経済」であり、「範囲の経済」は複数事業の同時展開によるコスト効率化。エは差別化が実現していると需要の交差弾力性は「小さくなる」(価格変化に反応しにくい)。オは初期段階で大幅値下げにより市場拡大を狙うのは「ペネトレーション(浸透)価格政策」であり、上澄み(スキミング)価格政策は逆に高価格で利幅を取る戦略。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 令和3年度 中小企業診断士1次試験 企業経営理論 第7問)
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