問題
減損損失を認識した建物(直接控除方式で計上、減損損失¥2,000,000)について、表示上は減損損失を取得原価から直接控除する。なお、減損損失の戻入れに関する我が国の会計基準の取扱いとして正しい仕訳(当期に回収可能価額が回復した場合)を選べ。
選択肢
- 1(借) 建物 1,000,000 / (貸) 減損損失戻入益 1,000,000
- 2(借) 減損損失戻入 1,000,000 / (貸) 建物 1,000,000
- 3仕訳なし(減損損失の戻入れは行わない)
- 4(借) 建物 2,000,000 / (貸) 減損損失 2,000,000
正解
3. 仕訳なし(減損損失の戻入れは行わない)
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解説
本問は仕訳なし(減損損失の戻入れは行わない)が正しい。我が国の固定資産の減損に係る会計基準では、いったん認識した減損損失について、その後の期間に回収可能価額が回復したとしても、減損損失の戻入れ(簿価の回復)を行わないこととされている。これは、減損の戻入れを認めると、その判断に主観が入りやすく利益操作の余地が生じること、および事務負担とのバランスを考慮した結果である。したがって本問のように回収可能価額が当期に回復した場合でも、建物の帳簿価額を増額する戻入れの仕訳は行わず、減損後の帳簿価額のまま、残存耐用年数にわたって減価償却を続ける。誤りやすいのは、回収可能価額が回復したのだから簿価を戻すべきだと考え、減損損失戻入益などを計上してしまう点である。国際会計基準ではのれん以外について一定の要件のもとで戻入れが認められるが、日本基準では減損損失の戻入れを一切行わない点が大きな違いであり、試験でも頻出の論点である。減損は不可逆的な処理であると理解しておく点を押さえる。
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