問題
合併等における対価の不公正(合併比率の不当)に関する記述として、通説・判例の立場に照らし最も適切なものはどれか。
選択肢
- 1合併比率が不当であることは、それ自体で当然に合併無効事由となる
- 2合併比率が不当な場合には、反対株主は株式買取請求権を行使することができない
- 3合併比率に不満のある反対株主は、株式買取請求により公正な価格での経済的救済を受けることが予定されている
- 4合併比率の不当については、株主総会決議の内容が著しく不公正であっても救済手段は一切存在しない
正解
3. 合併比率に不満のある反対株主は、株式買取請求により公正な価格での経済的救済を受けることが予定されている
詳しい解説を見る解説を閉じる
解説
判例・通説は、合併比率が不当であっても、反対株主には株式買取請求権(会社法785条)による公正な価格での経済的救済が用意されていることなどを理由に、比率の不当それ自体は当然には合併無効事由とはならないと解している。したがって当然に合併無効事由となるとする記述は誤りである。反対株主は所定の手続を経れば株式買取請求権を行使でき(785条2項)、比率が不当な場合にこれを行使できないとする記述も誤りである。反対株主には買取請求のほか、法令・定款違反等がある場合には差止請求(784条の2・796条の2)などの手段も存在するから、救済手段が一切存在しないとする記述も誤りである。以上より、比率の不当については無効ではなく買取請求による価格の救済が予定されているとする理解が最も適切であり、これは組織再編の効力の安定と株主の経済的利益の保護を調和させる考え方に基づく。
一問一答
5科目1,000問を科目別に学習