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憲法難易度: 標準2021年度

司法書士 過去問憲法 第75問

問題

次の対話は,内閣に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは,後記1 から 5 までのうち,どれか。 教授: 内閣は,行政権の行使について,どのような責任を負いますか。 ア 内閣は,行政権の行使について,国会に対し連帯して責任を負います。 教授: 衆議院で内閣不信任決議案を可決した場合には,どのような効果が生じますか。 イ 衆議院で内閣不信任決議案が可決された場合には,内閣は,直ちに総辞職をしなければなりません。 教授: 内閣総理大臣の指名については,憲法上どのように定められていますか。 ウ 内閣総理大臣は,国会議員の中から,国会の議決で指名されますが,衆議院と参議院とが異なった指名の議決をした場合に,衆議院で出席議員の 3 分の 2以上の多数で再び指名の議決がされたときは,衆議院の議決が国会の議決となります。 教授: 国務大臣の任命については,憲法上どのように定められていますか。 エ 内閣総理大臣が国務大臣を任命しますが,国務大臣の過半数は,国会議員の中から選ばれなければなりません。 教授: 内閣総理大臣は,行政各部に対し指示を与える権限を有しますか。 オ 内閣総理大臣は,閣議にかけて決定した方針が存在しない場合においても,内閣の明示の意思に反しない限り,行政各部に対し,その所掌事務について一定の方向で処理するよう指示を与える権限を有します。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4ウエ
  5. 5エオ

正解

3. イウ

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解説

正解は「イウ」(誤っているものの組合せ)。 ア=正しい。内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う(憲法66条3項)。議院内閣制の中核をなす規定である。根拠:憲法66条3項 イ=誤り。衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、内閣は総辞職をしなければならない(憲法69条)。直ちに総辞職しなければならないのではなく、解散か総辞職かを選択することができる。根拠:憲法69条 ウ=誤り。内閣総理大臣の指名について衆議院と参議院とが異なった議決をした場合において、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて10日以内に参議院が指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする(憲法67条2項)。出席議員の3分の2以上の多数による再議決は法律案について定められた手続であり(憲法59条2項)、内閣総理大臣の指名には妥当しない。根拠:憲法67条2項、59条2項 エ=正しい。内閣総理大臣は国務大臣を任命するが、その過半数は国会議員の中から選ばれなければならない(憲法68条1項)。根拠:憲法68条1項 オ=正しい。内閣総理大臣は、少なくとも、内閣の明示の意思に反しない限り、行政各部に対し、随時、その所掌事務について一定の方向で処理するよう指導、助言等の指示を与える権限を有する。閣議にかけて決定した方針が存在しないことは、この権限を否定する理由とならない(ロッキード事件丸紅ルート・最大判平成7年2月22日)。根拠:憲法72条、内閣法6条 以上より、誤っているのはイとウであり、正解は「イウ」となる。(出典: 令和3年度 司法書士試験 午前の部 第3問)

一問一答

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