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民法難易度: 2021年度

司法書士 過去問民法 第347問

問題

地上権又は地役権に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。 ア Aが,Bの所有する甲土地に,定期の地代を支払うことを約して竹木の所有を目的とする地上権の設定を受けている場合には,不可抗力によって地代より少ない収益しか得られなかったときであっても,AはBに対し,地代の減額を請求することができない。 イ AがBの所有する甲土地に建物を所有することを目的として地上権の設定を受け,その旨の登記がされている場合には,Cが甲土地の地下に区分地上権の設定を受けるためには,Aの承諾を得なければならない。 ウ Aが所有する甲土地を承役地とし,Bが所有する乙土地を要役地とする通行地役権が設定されている場合において,Bが地役権の行使のために甲土地に通路を設置したときは,Aは,その通路を使用することができない。 エ Aが所有する甲土地を承役地とし,Bが所有する乙土地を要役地とする通行地役権が設定され,その登記がされた後,Cが乙土地に地上権の設定を受けた場合には,Cは,当該通行地役権を行使することができない。 オ Aが所有する甲土地を承役地とし,Bが所有する乙土地を要役地とする通行地役権が設定されたが,その登記がされない間にCが甲土地に抵当権の設定を受け,その旨の登記がされた場合には,抵当権設定時に,Bが甲土地を継続的に通路として使用していることが客観的に明らかであり,Cがこれを認識していたとしても,抵当権の実行により当該通行地役権は消滅する。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アオ
  3. 3イエ
  4. 4ウエ
  5. 5ウオ

正解

1. アイ

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解説

正解は「アイ」(正しいものの組合せ)。 ア=正しい。地上権について永小作権の規定が準用されるのは民法274条から276条までのうち一部であり、不可抗力により収益について損失を受けた場合の小作料の減免を定める民法274条は準用されていない(民法266条1項)。したがって地上権者は不可抗力を理由に地代の減額を請求することができない。根拠:民法266条1項、274条 イ=正しい。区分地上権は、第三者がその土地の使用又は収益をする権利を有する場合においても、その権利者及びその権利を目的とする権利を有するすべての者の承諾があるときは、設定することができる(民法269条の2第2項)。地上権者Aの承諾を得なければ区分地上権を設定することはできない。根拠:民法269条の2第2項 ウ=誤り。承役地の所有者は、地役権の行使を妨げない範囲内において、その行使のために承役地の上に設けられた工作物を使用することができる(民法288条1項)。したがってAは、Bの通行を妨げない限り、その通路を使用することができる。根拠:民法288条1項 エ=誤り。地役権は要役地の便益に供される権利であり、要役地の所有権に従たるものである。要役地について地上権の設定を受けた者も、要役地の利用のために地役権を行使することができる。根拠:民法281条1項、280条 オ=誤り。通行地役権の承役地について抵当権が設定された場合において、抵当権設定時に、承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置、形状、構造等の外形上明らかであり、かつ抵当権者がそのことを認識していたか又は認識することが可能であったときは、抵当権者は地役権設定登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に当たらない。したがって抵当権の実行によっても通行地役権は消滅しない(最判平成25年2月26日参照)。根拠:民法177条、281条 以上より、正しいのはアとイであり、正解は「アイ」となる。(出典: 令和3年度 司法書士試験 午前の部 第10問)

一問一答

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