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民法難易度: 標準2021年度

司法書士 過去問民法 第348問

問題

先取特権に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。 ア 不動産の賃貸人は,敷金を受け取っている場合には,その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ,不動産賃貸の先取特権を有する。 イ 同一の不動産について不動産保存の先取特権と不動産工事の先取特権が互いに競合する場合には,その優先権の順位は,登記の前後による。 ウ 動産の売主は,その動産が転売され,その転売に係る売買代金請求権が他の債権者によって差し押さえられた場合には,当該売買代金請求権について動産売買先取特権に基づく物上代位権を行使することができない。 エ 不動産の賃借人がその不動産を転貸している場合には,賃貸人の先取特権は,賃借人がその転貸借契約に基づいて転借人から受けるべき金銭にも及ぶ。 オ 不動産売買の先取特権は,その効力を保存するために必要な登記がされていれば,その登記に先立って登記されている抵当権に優先する。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アエ
  3. 3イウ
  4. 4ウオ
  5. 5エオ

正解

2. アエ

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解説

正解は「アエ」(正しいものの組合せ)。 ア=正しい。賃貸人が敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ不動産賃貸の先取特権を有する(民法316条)。敷金によって既に担保されている部分についてまで優先弁済を認める必要がないからである。根拠:民法316条 イ=誤り。同一の不動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は民法325条各号に掲げる順序、すなわち不動産の保存、不動産の工事、不動産の売買の順による(民法331条1項)。登記の前後によるのではない。根拠:民法331条1項、325条 ウ=誤り。動産売買の先取特権者は、目的債権が他の債権者によって差し押さえられた後であっても、自ら目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができる(最判昭和60年7月19日)。一般債権者による差押えは物上代位権の行使を妨げるものではない。根拠:民法304条1項、321条 エ=正しい。賃借権の譲渡又は転貸の場合には、賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産にも及び、譲渡人又は転貸人が受けるべき金銭についても同様である(民法314条)。転貸借によって賃貸人の担保が失われることを防ぐ趣旨である。根拠:民法314条 オ=誤り。登記をすることによって抵当権に先立って行使することができるとされているのは、不動産保存の先取特権及び不動産工事の先取特権である(民法339条)。不動産売買の先取特権はこれに含まれず、抵当権との優劣は登記の前後によって決まる。根拠:民法339条、340条、341条 以上より、正しいのはアとエであり、正解は「アエ」となる。(出典: 令和3年度 司法書士試験 午前の部 第11問)

一問一答

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