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会社法・商法難易度: 2021年度

司法書士 過去問会社法・商法 第189問

問題

新株予約権に関する次の 1 から 5 までの記述のうち,正しいものは,どれか。

選択肢

  1. 1株式会社が自己の新株予約権を取得した場合には,当該新株予約権は,当該株式会社がこれを取得した時に,消滅する。
  2. 2募集新株予約権の割当てを受けた申込者は,払込期日に当該募集新株予約権の新株予約権者となる。
  3. 3譲渡制限新株予約権の新株予約権者が,その有する譲渡制限新株予約権を他人に譲り渡すことについて,その株式会社に対し,当該他人が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて承認するか否かの決定をすることを請求する場合において,当該株式会社が当該承認をしない旨の決定をするときであっても,当該新株予約権者は,当該株式会社に対し,当該株式会社又は指定買取人が当該譲渡制限新株予約権を買い取ることを請求することはできない。
  4. 4募集新株予約権の発行が法令若しくは定款に違反する場合又は著しく不公正な方法により行われる場合において,株主及び新株予約権者が不利益を受けるおそれがあるときは,株主及び新株予約権者は,株式会社に対し,当該募集新株予約権の発行の差止めを求める訴えを提起することができる。
  5. 5新株予約権者が,株式会社の承諾を得て,募集新株予約権と引換えに払い込む金銭の払込みに代えて,払込金額に相当する金銭以外の財産を給付した場合には,当該株式会社は,当該財産の給付があった後,遅滞なく,当該財産の価額を調査させるため,裁判所に対し,検査役の選任の申立てをしなければならない。

正解

3. 譲渡制限新株予約権の新株予約権者が,その有する譲渡制限新株予約権を他人に譲り渡すことについて,その株式会社に対し,当該他人が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて承認するか否かの決定をすることを請求する場合において,当該株式会社が当該承認をしない旨の決定をするときであっても,当該新株予約権者は,当該株式会社に対し,当該株式会社又は指定買取人が当該譲渡制限新株予約権を買い取ることを請求することはできない。

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解説

正解は「譲渡制限新株予約権の新株予約権者は、株式会社が承認をしない旨の決定をするときであっても、株式会社又は指定買取人が当該譲渡制限新株予約権を買い取ることを請求することはできない」とする記述である。譲渡制限株式については、承認をしない場合に会社又は指定買取人による買取りを請求することができる制度が設けられているが(会社法138条以下)、新株予約権についてはこれに相当する制度が用意されていない。投下資本の回収の必要性が株式とは異なるためである。根拠:会社法262条以下、138条 「株式会社が自己の新株予約権を取得した場合には、当該新株予約権は取得した時に消滅する」とする記述は誤りである。株式会社は自己新株予約権を保有することができ、取得によって当然に消滅するものではない。消滅させるには消却の手続を要する(会社法276条)。根拠:会社法276条 「募集新株予約権の割当てを受けた申込者は払込期日に新株予約権者となる」とする記述は誤りである。募集新株予約権の割当てを受けた申込者は、割当日に新株予約権者となる(会社法245条1項)。払込みは権利行使の要件にかかわるものであって、新株予約権者となる時期を左右しない。根拠:会社法245条1項 「募集新株予約権の発行の差止めを求める訴えを株主及び新株予約権者が提起することができる」とする記述は誤りである。募集新株予約権の発行が法令若しくは定款に違反する場合等において不利益を受けるおそれがあるときに、株式会社に対して発行をやめることを請求することができるのは株主であり、新株予約権者は含まれない(会社法247条)。また、この請求は訴えの提起によることを要しない。根拠:会社法247条 「払込みに代えて金銭以外の財産を給付した場合に検査役の選任の申立てをしなければならない」とする記述は誤りである。新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、払込みに代えて払込金額に相当する金銭以外の財産を給付することができるが(会社法246条2項)、募集株式の現物出資の場合と異なり検査役の調査に関する規定は置かれていない。根拠:会社法246条2項、207条 (出典: 令和3年度 司法書士試験 午前の部 第29問)

一問一答

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