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会社法・商法難易度: 2025年度

司法書士 過去問会社法・商法 第156問

問題

取締役会設置会社(監査等委員会設置会社を除く。)における取締役の責任に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 取締役会設置会社の取締役は、自己のために当該会社と取引をしたことによって当該会社に損害が生じた場合において、その任務を怠ったことが当該取締役の責めに帰することができない事由によるものであることを証明したときは、当該会社に対して当該損害を賠償する責任を負わない。 イ 取締役会設置会社の取締役は、自己のために当該会社の事業の部類に属する取引をしたことによって当該会社に損害が生じたときは、その任務を怠ったものと推定される。 ウ 取締役会設置会社の取締役がその任務を怠ったことによって当該会社に生じた損害を賠償する責任は、総株主の同意がなければ、その全部を免除することができない。 エ 取締役会設置会社がその計算において株主の権利の行使に関し財産上の利益の供与をした場合において、当該利益の供与をした取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、当該取締役は、当該会社に対し、供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負わない。 オ 剰余金の配当により株主に対して分配可能額を超える金銭等が交付された場合において、当該剰余金の配当による金銭等の交付に関する職務を行った取締役会設置会社の業務執行取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、当該業務執行取締役は、当該会社に対し、当該金銭等の交付を受けた者が交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負わない。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アエ
  3. 3イエ
  4. 4イオ
  5. 5ウオ

正解

5. ウオ

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解説

正解は「ウオ」。ア=誤り。会社法428条1項は、自己のために株式会社と直接取引をした取締役の同法423条1項の責任について、任務を怠ったことが当該取締役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができないと定める。自己のためにする直接取引は無過失責任であり、同条2項により責任の一部免除の規定(425条から427条まで)も適用されない。イ=誤り。競業取引の場合に推定されるのは損害の額であって、任務懈怠ではない。会社法423条2項は、取締役等が同法356条1項1号の規定に違反して競業取引をしたときは、当該取引によって取締役等または第三者が得た利益の額を損害の額と推定すると定める。任務を怠ったものと推定されるのは利益相反取引の場合である(同条3項)。ウ=正しい。会社法424条は、同法423条1項の責任は、総株主の同意がなければ免除することができないと定める。一部免除であれば株主総会の特別決議等によることができるが(425条から427条まで)、全部免除には総株主の同意を要する。エ=誤り。会社法120条4項は、株主の権利の行使に関する利益供与に関与した取締役は供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負うとしつつ、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は免責されるとする。もっとも同項ただし書は「当該利益の供与をした取締役」を免責の対象から除外しており、供与行為をした本人は無過失責任を負う。オ=正しい。会社法462条1項は違法配当について業務執行者等に支払義務を課すが、同条2項は、業務執行者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときはこの義務を負わないと定める。したがって正しいのはウとオである。(出典: 令和7年度 司法書士試験 午前の部 第32問)

一問一答

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