司法書士に戻る
不動産登記法難易度: 2021年度

司法書士 過去問不動産登記法 第273問

問題

所有権の登記の抹消に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。 ア 競売による売却を原因としてAからBへの所有権の移転の登記がされている場合には,BはAに対し当該所有権の移転の登記について競落無効を原因とする抹消登記手続をする旨の記載のあるAとBとの和解調書の正本を添付して,Aが,単独で当該所有権の移転の登記の抹消の申請をすることはできない。 イ Aが表題部所有者として記録されている建物について,Aの相続人Bを登記名義人とする所有権の保存の登記がされた場合において,その後に錯誤を登記原因として所有権の保存の登記が抹消されたときは,登記官は,当該建物の登記記録を閉鎖しなければならない。 ウ 所有権の登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をする際に,登記官の職権で所有権の保存の登記がされた場合において,後に錯誤を登記原因として当該所有権の処分の制限の登記が抹消されたときであっても,登記官は職権で当該所有権の保存の登記を抹消することはできない。 エ 錯誤を登記原因として買戻しの特約の付記登記のある所有権の移転の登記の抹消を申請する場合には,当該申請に先立って又は同時に,当該買戻しの特約の付記登記の抹消の申請をしなければならない。 オ AからBへの所有権の移転の登記がされた後,Aについて破産手続が開始された場合において,Aの破産管財人が,当該所有権の移転の登記の原因である行為を否認したときは,当該破産管財人は,当該所有権の移転の登記の抹消を申請しなければならない。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アオ
  3. 3イエ
  4. 4イオ
  5. 5ウエ

正解

5. ウエ

詳しい解説を見る

解説

正解は「ウエ」(正しいものの組合せ)。 ア=誤り。和解調書は確定判決と同一の効力を有するから(民事訴訟法267条)、登記手続をすべきことを内容とする和解調書の正本を添付すれば、登記権利者は単独で登記の申請をすることができる(不動産登記法63条1項)。したがってAは単独で所有権の移転の登記の抹消を申請することができる。根拠:民事訴訟法267条、不動産登記法63条1項 イ=誤り。所有権の保存の登記が抹消された場合であっても、表題部の登記は残るから、登記記録が閉鎖されるわけではない。当該不動産は表題部のみが記録された状態に戻る。根拠:不動産登記法77条、不動産登記規則 ウ=正しい。所有権の登記がない不動産について所有権の処分の制限の登記が嘱託されたときは、登記官は職権で所有権の保存の登記をする(不動産登記法76条2項)。その後に処分の制限の登記が抹消されたとしても、職権でされた所有権の保存の登記を職権で抹消する旨の規定は置かれていないから、登記官がこれを抹消することはできない。根拠:不動産登記法76条2項 エ=正しい。買戻しの特約の登記は所有権の移転の登記に付記してされるものであり、買戻権者は主登記の抹消につき登記上の利害関係を有する第三者に当たる。所有権の移転の登記の抹消を申請するには、これに先立って又は同時に、買戻しの特約の付記登記の抹消を申請しなければならない。根拠:不動産登記法68条、不動産登記規則3条 オ=誤り。破産管財人が否認権を行使した場合には、破産管財人は否認の登記を申請することになる(破産法260条1項)。所有権の移転の登記の抹消を申請しなければならないのではない。否認の登記により相手方の登記の効力が否定されることが公示される。根拠:破産法160条、260条1項 以上より、正しいのはウとエであり、正解は「ウエ」となる。(出典: 令和3年度 司法書士試験 午後の部 第20問)

一問一答

全11科目1,000問を科目別に学習

不動産登記法の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では司書の全1350問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。司法書士試験は午前の部(憲法・民法・刑法・会社法商法)と午後の部(民事訴訟法等・供託法・司法書士法・不動産登記法・商業登記法)の択一式に、不動産登記と商業登記の記述式を加えた構成です。受験資格は不要で、行政書士や宅建からのステップアップにも向いています。