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不動産登記法難易度: 2021年度

司法書士 過去問不動産登記法 第274問

問題

抵当権の設定の登記の抹消の申請に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。 ア 第 1 順位で設定の登記がされている抵当権が被担保債権の弁済により消滅したときは,第 2 順位で設定の登記がされている抵当権の登記名義人は,第 1 順位の抵当権の登記名義人と共同して,当該第 1 順位の抵当権の設定の登記の抹消の申請をすることができる。 イ 抵当権の登記名義人が当該抵当権の目的である不動産を取得し,当該抵当権が混同により消滅したため,当該抵当権の設定の登記の抹消の申請をするときは,当該抵当権の設定の登記が完了した際に通知された登記識別情報を提供することを要しない。 ウ 抵当権の登記名義人である株式会社について清算結了の登記がされている場合において,その後,当該株式会社の清算人として登記されていた者が,当該抵当権を放棄したときは,当該清算人として登記されていた者を登記義務者として,当該抵当権の設定の登記の抹消の申請をすることができる。 エ 抵当権の登記名義人である株式会社について清算結了の登記がされており,かつ,当該株式会社の清算人として登記されていた者全員の所在が不明である場合であっても,不動産登記法第 70 条第 3 項後段の規定による当該抵当権の設定の登記の抹消の申請をすることはできない。 オ 登記義務者の所在が知れないため不動産登記法第 70 条第 3 項後段の規定による権利に関する登記の抹消の申請をする場合において,当該権利が抵当権であるときは,当該抵当権の被担保債権の元本及び最後の 2 年分についての遅延損害金に相当する金銭を供託したことを証する情報を提供して,当該抵当権の設定の登記の抹消の申請をすることができる。(参考)不動産登記法第 70 条 登記権利者は,登記義務者の所在が知れないため登記義務者と共同して権利に関する登記の抹消を申請することができないときは,非訟事件手続法(平成 23 年法律第 51 号)第 99 条に規定する公示催告の申立てをすることができる。2 (略)3 第 1 項に規定する場合において,登記権利者が先取特権,質権又は抵当権の被担保債権が消滅したことを証する情報として政令で定めるものを提供したときは,第 60 条の規定にかかわらず,当該登記権利者は,単独でそれらの権利に関する登記の抹消を申請することができる。同項に規定する場合において,被担保債権の弁済期から 20 年を経過し,かつ,その期間を経過した後に当該被担保債権,その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭が供託されたときも,同様とする。

選択肢

  1. 1アエ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4イエ
  5. 5ウオ

正解

1. アエ

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解説

正解は「アエ」(正しいものの組合せ)。 ア=正しい。先順位の抵当権が消滅した場合、後順位の抵当権者は順位が上昇するという利益を受けるから、抹消登記について登記権利者となることができる。したがって後順位抵当権者は、先順位抵当権の登記名義人と共同してその抹消の申請をすることができる。根拠:不動産登記法60条、民法373条 イ=誤り。混同によって抵当権が消滅した場合であっても、その抹消の登記は登記権利者と登記義務者が共同して申請するものであり、登記義務者である抵当権の登記名義人の登記識別情報を提供しなければならない(不動産登記法22条)。混同であることは提供を免除する理由とならない。根拠:不動産登記法22条、60条、民法179条 ウ=誤り。清算結了の登記がされた株式会社は法人格が消滅しているから、清算人として登記されていた者を登記義務者として抵当権の設定の登記の抹消を申請することはできない。清算が結了していなかったことを前提として清算結了の登記の抹消を経る等の手続を要する。根拠:会社法476条、929条、不動産登記法60条 エ=正しい。不動産登記法70条3項後段の規定は、登記義務者の所在が知れない場合に関するものであり、法人が既に清算結了の登記により消滅している場合には適用されない。したがってこの規定による抹消の申請をすることはできない。なお令和3年改正により、解散した法人の担保権に関する登記の抹消について、被担保債権の弁済期から30年かつ解散から30年を経過したときは単独申請を認める規定が新設された(不動産登記法70条の2。令和5年4月1日施行)ので、現行法では要件を満たせば単独申請の余地がある。根拠:不動産登記法70条3項、70条の2 オ=誤り。不動産登記法70条3項後段が求めるのは、被担保債権の弁済期から20年を経過し、かつ、その期間経過後に当該被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の「全額」に相当する金銭が供託されたことである。元本と最後の2年分の遅延損害金にとどまる供託では足りない。根拠:不動産登記法70条3項後段 以上より、正しいのはアとエであり、正解は「アエ」となる。(出典: 令和3年度 司法書士試験 午後の部 第21問)

一問一答

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