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民法難易度: 2022年度

司法書士 過去問民法 第330問

問題

留置権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 建物の賃借人は、賃貸人に対して有する造作買取代金債権を被担保債権として、当該建物について留置権を行使することができる。 イ 建物の賃借人は、賃貸借契約の終了後においては、当該建物について留置権を行使する場合であっても、従前のとおり当該建物に居住することはできない。 ウ 他人物売買の売主から目的物の引渡しを受けた買主は、所有者から当該目的物の返還請求を受けた場合には、売主に対して有する損害賠償請求権を被担保債権とする留置権を主張して返還を拒むことはできない。 エ 留置物の所有者である債務者から当該留置物を譲り受けた第三取得者は、留置権者が留置物の占有において善良な管理者の注意を怠ったとしても、留置権の消滅請求をすることはできない。 オ 留置権者は、留置権による競売が行われた場合には、その換価金を留置することができる。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アエ
  3. 3イエ
  4. 4イオ
  5. 5ウオ

正解

5. ウオ

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解説

正解は「ウオ」(正しいものの組合せ)。留置権の成否は、被担保債権が「その物に関して生じた債権」といえるか(牽連性)によって決まる。 ア=誤り。造作買取代金債権は造作に関して生じた債権であって、建物自体に関して生じた債権ではない。したがって建物の賃借人は、造作買取代金債権を被担保債権として建物について留置権を行使することはできない(最判昭和29年1月14日)。根拠:民法295条1項、借地借家法33条 イ=誤り。留置権者は、債務者の承諾がなければ留置物を使用等することができないが、その物の保存に必要な使用はすることができる(民法298条2項ただし書)。建物の賃借人が留置権に基づいて従前どおり居住することは保存に必要な使用に当たるから、賃貸借契約終了後も居住を継続することができる(大判昭和10年5月13日)。根拠:民法298条2項 ウ=正しい。他人物売買の買主が売主に対して有する損害賠償請求権は、売買契約上の債務不履行から生じた債権であって、目的物の返還を求める所有者との関係で目的物に関して生じた債権とはいえない。したがって買主は、この債権を被担保債権とする留置権を主張して所有者からの返還請求を拒むことはできない(最判昭和51年6月17日)。根拠:民法295条1項 エ=誤り。留置権者が善良な管理者の注意義務に違反した場合、債務者は留置権の消滅を請求することができるが(民法298条3項)、この消滅請求は留置物の所有権を取得した第三取得者もすることができる(最判平成9年7月3日)。留置権による負担を受ける者を保護する趣旨だからである。根拠:民法298条3項 オ=正しい。留置権者が民事執行法195条の規定に基づく形式的競売により留置物を換価した場合、留置権者はその換価金を留置することができる。留置権には優先弁済権はないが、換価金の上に留置的効力が及ぶことにより、間接的に弁済を促す機能が維持される。根拠:民事執行法195条、民法295条 以上より、正しいのはウとオであり、正解は「ウオ」となる。(出典: 令和4年度 司法書士試験 午前の部 第13問)

一問一答

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