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民法難易度: 2022年度

司法書士 過去問民法 第329問

問題

法定地上権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 法定地上権の成立要件が充足されていても法定地上権の成立は認めないという趣旨の特約を抵当権設定の当事者間において締結したとしても、法定地上権は成立する。 イ 法定地上権が成立する土地の範囲は、法定地上権の対象となる建物が接地する部分に限られる。 ウ 法定地上権の存続期間は、当事者間の協議によって定めることはできない。 エ 地上建物に仮差押えがされ、その後、当該仮差押えが本執行に移行してされた強制競売手続における売却により買受人がその所有権を取得した場合において、土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたものの、その後に土地が第三者に譲渡された結果、当該強制競売手続における差押えの時点では土地及び地上建物が同一の所有者に属していなかったときは、法定地上権は成立しない。 オ 土地を目的とする第一順位の甲抵当権と第二順位の乙抵当権が設定され、甲抵当権設定時には土地及び地上建物が同一の所有者に属していなかったが、乙抵当権設定時にはこれらが同一の所有者に属していた。この場合において、甲抵当権が消滅し、その後、乙抵当権の実行により土地と地上建物の所有者を異にするに至ったときは、法定地上権が成立する。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4イエ
  5. 5エオ

正解

2. アオ

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解説

正解は「アオ」(正しいものの組合せ)。 ア=正しい。法定地上権の制度は、建物の存続という社会経済上の要請に基づくものであり、民法388条は強行規定と解される。したがって成立要件が充足されているのに法定地上権の成立を認めない旨の特約を抵当権設定当事者間で締結しても、その特約は効力を生ぜず、法定地上権は成立する。根拠:民法388条 イ=誤り。法定地上権が成立する土地の範囲は、建物が接地する部分に限られず、建物の利用に必要な限度で敷地の周辺部分にも及ぶ(大判大正9年5月5日等)。建物の利用を実質的に確保するためである。根拠:民法388条 ウ=誤り。法定地上権の存続期間は、当事者間の協議によって定めることができ、協議が調わない場合に当事者の請求により裁判所が定める(民法388条後段)。当事者間の協議によって定めることができないとする点が誤りである。根拠:民法388条 エ=誤り。地上建物に対する仮差押えが本執行に移行してされた強制競売において、土地及び建物が同一の所有者に属していたかどうかは、仮差押えの時を基準として判断される(最判平成28年12月1日)。仮差押えの時点で同一所有者に属していた以上、その後に土地が譲渡されていても法定地上権は成立する。根拠:民事執行法81条 オ=正しい。第一順位の抵当権設定時には土地と建物が同一の所有者に属していなかったが、その抵当権が消滅した後に、設定時に同一所有者であった第二順位の抵当権が実行された場合には、消滅した第一順位抵当権を基準とする必要はなく、法定地上権が成立する(最判平成19年7月6日)。第一順位抵当権者の把握していた担保価値を保護する必要が既に失われているからである。根拠:民法388条 以上より、正しいのはアとオであり、正解は「アオ」となる。(出典: 令和4年度 司法書士試験 午前の部 第12問)

一問一答

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