司法書士に戻る
民法難易度: 標準2022年度

司法書士 過去問民法 第334問

問題

第三者のためにする契約に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア AとBが、Cを受益者とする第三者のためにする契約を締結した場合には、その契約の成立時にCが現に存在しないとしても、そのことを理由にその効力は妨げられない。 イ AとBが、Aを諾約者とし、Bを要約者として、Cを受益者とする第三者のためにする契約を締結した場合には、Aが錯誤を理由にその意思表示の取消しをしたとしても、Cは自らが当該錯誤について善意かつ無過失であることを主張して、その契約に基づく履行を求めることができる。 ウ AとBが、Bの所有する建物の所有権をCに移転する旨のCを受益者とする第三者のためにする契約を締結したときは、当該建物の所有権は、Cの受益の意思表示をした時期にかかわらず、その契約の成立時に、Cに移転する。 エ AとBが、Aを諾約者とし、Bを要約者として、Cを受益者とする第三者のためにする契約を締結した場合において、Cが受益の意思表示をした後に、AがCに対する履行をしないときは、BはCの承諾を得ることなく、契約を解除することができる。 オ AとBが、Bの所有する動産をAに譲渡し、Aがその代金をCに支払う旨の第三者のためにする契約を締結した場合には、AはBが当該動産を引き渡すまで、Cに対する代金の支払を拒絶することができる。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4イエ
  5. 5エオ

正解

2. アオ

詳しい解説を見る

解説

正解は「アオ」(正しいものの組合せ)。 ア=正しい。第三者のためにする契約は、その成立の時に第三者が現に存しない場合や第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない(民法537条2項)。胎児や設立中の法人を受益者とする契約を可能にする趣旨である。根拠:民法537条2項 イ=誤り。第三者のためにする契約における受益者は、当事者間の契約に基づいて権利を取得する者にすぎず、契約を前提として新たに独立の法律上の利害関係を有するに至った者ではないから、錯誤取消しの効力が制限される第三者(民法95条4項)には当たらない。したがってCは自己の善意無過失を主張して履行を求めることはできない。根拠:民法95条4項、537条 ウ=誤り。第三者の権利は、その第三者が債務者に対して契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する(民法537条3項)。したがって所有権も受益の意思表示の時に移転するのであって、契約の成立時に移転するのではない。根拠:民法537条3項 エ=誤り。第三者の権利が発生した後は、当事者はこれを変更し又は消滅させることができず(民法538条1項)、債務者がその第三者に対する債務を履行しない場合であっても、要約者は、その第三者の承諾を得なければ契約を解除することができない(同条2項)。根拠:民法538条 オ=正しい。債務者は、第三者のためにする契約に基づく抗弁をもって、その契約の利益を受ける第三者に対抗することができる(民法539条)。したがって諾約者Aは、要約者Bが動産を引き渡すまで、同時履行の抗弁をもって受益者Cに対する代金の支払を拒むことができる。根拠:民法539条、533条 以上より、正しいのはアとオであり、正解は「アオ」となる。(出典: 令和4年度 司法書士試験 午前の部 第17問)

一問一答

全11科目1,000問を科目別に学習

民法の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では司書の全1350問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。司法書士試験は午前の部(憲法・民法・刑法・会社法商法)と午後の部(民事訴訟法等・供託法・司法書士法・不動産登記法・商業登記法)の択一式に、不動産登記と商業登記の記述式を加えた構成です。受験資格は不要で、行政書士や宅建からのステップアップにも向いています。