司法書士に戻る
民法難易度: 標準2022年度

司法書士 過去問民法 第340問

問題

被相続人の配偶者の居住の権利に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合には、被相続人の共有持分についてのみ、配偶者居住権を成立させることができる。 イ 配偶者居住権は、居住建物の所有者の承諾を得た場合であっても、譲渡することができない。 ウ 配偶者短期居住権は、これを登記することにより、居住建物について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。 エ 配偶者居住権の設定された建物の全部が滅失して使用及び収益をすることができなくなった場合には、配偶者居住権は消滅する。 オ 遺産の分割の請求を受けた家庭裁判所は、配偶者が家庭裁判所に対して配偶者居住権の取得を希望する旨を申し出た場合であっても、他の共同相続人全員が反対の意思を表示したときは、配偶者が配偶者居住権を取得する旨を定めることができない。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アウ
  3. 3イエ
  4. 4ウオ
  5. 5エオ

正解

3. イエ

詳しい解説を見る

解説

正解は「イエ」(正しいものの組合せ)。平成30年相続法改正により新設された配偶者居住権と配偶者短期居住権の異同が問われている。 ア=誤り。配偶者居住権は、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合には成立しない(民法1028条1項ただし書)。他の共有者の権利を害することになるからである。被相続人の共有持分についてのみ成立させることもできない。根拠:民法1028条1項 イ=正しい。配偶者居住権は、譲渡することができない(民法1032条2項)。配偶者本人の居住を保護するために認められた一身専属的な権利だからであり、居住建物の所有者の承諾があっても譲渡することはできない。根拠:民法1032条2項 ウ=誤り。登記をすることによって第三者に対抗することができるのは配偶者居住権であり(民法1031条2項、605条)、配偶者短期居住権については登記の制度が設けられておらず、第三者に対抗することができない。両者の最も大きな違いの一つである。根拠:民法1031条、1037条 エ=正しい。居住建物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合には、配偶者居住権は消滅する(民法1036条、616条の2)。権利の目的物が失われた以上、権利も存続し得ないからである。根拠:民法1036条、616条の2 オ=誤り。家庭裁判所は、配偶者が配偶者居住権の取得を希望する旨を申し出た場合において、居住建物の所有者の受ける不利益の程度を考慮してもなお配偶者の生活を維持するために特に必要があると認めるときは、配偶者が配偶者居住権を取得する旨を定めることができる(民法1029条2号)。他の共同相続人全員が反対していても、この審判をすることができる。根拠:民法1029条 以上より、正しいのはイとエであり、正解は「イエ」となる。(出典: 令和4年度 司法書士試験 午前の部 第23問)

一問一答

全11科目1,000問を科目別に学習

民法の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では司書の全1350問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。司法書士試験は午前の部(憲法・民法・刑法・会社法商法)と午後の部(民事訴訟法等・供託法・司法書士法・不動産登記法・商業登記法)の択一式に、不動産登記と商業登記の記述式を加えた構成です。受験資格は不要で、行政書士や宅建からのステップアップにも向いています。