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民法難易度: 2023年度

司法書士 過去問民法 第304問

問題

不動産の物権変動に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 甲土地を所有するAが死亡し、その子B及びCがAを共同相続した場合において、BC間でBが甲土地を単独で取得する旨の遺産分割協議が成立したが、Cが甲土地を共同相続したものとして所有権の移転の登記をした上で、自己の法定相続分に相当する持分をDに売却してその旨の登記をしたときは、Bは、Dに対し、単独での甲土地の所有権の取得を対抗することができない。 イ Aがその所有する甲土地をBに売却した後、Cが甲土地を正当な権原なく占有している場合には、Bは、所有権の移転の登記をしなくても、Cに対し、甲土地の所有権の取得を対抗することができる。 ウ 金銭債権の債務者Aが、債権者Bとの間で、金銭の給付に代えてAが所有する甲土地の給付をする旨の代物弁済契約をした場合には、甲土地の所有権の移転の効果は、AからBへの所有権の移転の登記をした時に生ずる。 エ Aがその所有する甲土地をBの詐欺によりBに売却してその旨の登記をし、AがBとの間の売買契約を詐欺を理由として取り消した後、Bがその取消しにつき善意のCに甲土地を売却してその旨の登記をした場合であっても、Cにその善意であることにつき過失があるときは、Aは、Cに対し、甲土地の所有権のAへの復帰を対抗することができる。 オ AがB所有の甲土地を占有し、取得時効が完成した後、BがCに対し甲土地につき抵当権の設定をしてその旨の登記をした場合において、Aがその抵当権の設定の事実を知らずにその登記後引き続き時効取得に必要な期間甲土地を占有し、その期間経過後に取得時効を援用したときは、Aは、Cに対し、抵当権の消滅を主張することができる。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アオ
  3. 3イエ
  4. 4イオ
  5. 5ウエ

正解

5. ウエ

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解説

正解は「ウエ」(誤っているものの組合せ)。 ア=正しい。相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、法定相続分を超える部分については登記等の対抗要件を備えなければ第三者に対抗することができない(民法899条の2第1項)。Cが法定相続分の持分をDに売却して登記を了した以上、Bは自己の法定相続分を超える部分についてDに対抗できない。根拠:民法899条の2第1項 イ=正しい。民法177条の「第三者」とは、当事者及びその包括承継人以外の者で、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者をいう。何らの権原なく不動産を占有する者はこれに当たらないから、Bは登記がなくてもCに所有権を対抗できる(最判昭和25年12月19日等)。根拠:民法177条 ウ=誤り。代物弁済契約による所有権移転の効果は、原則として当事者間の代物弁済契約の意思表示によって生ずる。もっとも、債務消滅の効果は、対抗要件である所有権移転登記手続の完了によって生ずる(最判昭和57年6月4日)。所有権移転の効果自体が登記時に生ずるとする点が誤りである。根拠:民法482条、176条 エ=誤り。詐欺による意思表示の取消し後に現れた第三者との関係は、取消しによって復帰的物権変動が生じたものとみて、対抗問題として民法177条により登記の先後で決する(大判昭和17年9月30日)。Cが先に登記を備えている以上、Cの善意・悪意やその過失の有無を問わず、AはCに所有権の復帰を対抗できない。民法96条3項が適用されるのは取消前の第三者である。根拠:民法177条、96条3項 オ=正しい。不動産の取得時効の完成後、所有権移転登記がされないうちに抵当権が設定され、その後、占有者が抵当権設定の事実を知らずに引き続き時効取得に必要な期間占有を継続した場合には、占有者が抵当権の存在を容認していたなど特段の事情がない限り、再度の取得時効の完成により抵当権は消滅する(最判平成24年3月16日)。根拠:民法162条、397条 以上より、誤っているのはウとエであり、正解は「ウエ」となる。(出典: 令和5年度 司法書士試験 午前の部 第7問)

一問一答

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